パニック障害ー奔豚気

メンタル鍼灸で来院される患者の中に、パニック障害をお持ちの方が来院されることが度々あります。そこで今回はパニック障害について書いていきます。

パニック障害

パニック障害は、突然前触れもなく起こる激しい動悸や発汗、ふるえ、息苦しさ、胸の不快感、めまい、このままだと死んでしまうんじゃないかと思う強い不安感が出現する病気です。
この症状は「パニック発作」といわれ、パニック発作を繰り返すと、「またあの発作が起こったらどうしよう」(予期不安)と過度に心配となり、外出などが制限されます。この発作は数十分続く人もいれば、比較的短い時間で収まるが発作を幾度も繰り返す人もいます。

パニック発作は誰でも起こすことがあるので、パニック発作=パニック障害ではありません。
パニック障害になる可能性のある人は、
1,パニック発作について、常に不安を感じる
2,発作の原因について、常に心配する
1もしくは2のことがひと月以上頭から離れない、あるいはひと月以内にこの不安や心配でパニック発作に襲われると、パニック障害になる可能性があります。

パニック障害 今治 玄鍼灸院

東洋医学の考え

東洋医学ではパニック障害を「奔豚気(ほんとんき)」と言います。これは子豚が身体の中を走り回っているイメージから名付けられました。
「奔豚気」は金匱要略とい言う本に初めて登場する病名です。

金匱要略・奔豚気病脈証併治第八

師曰.奔豚病從少腹起.上衝咽喉.發作欲死復還止.皆從驚恐得之.

奔豚の病は少腹から起こり、上って咽喉を衝き、発作すれば死せんと欲し、復また還りて止む。皆恐驚よりこれを得る。
つまり恐怖や驚きから気が喉に向かって上昇し、その上昇する感じが息苦しくて死んでしまうんじゃないかと思う、まさにパニック発作ですね。

諸病源候論 気病諸候 奔豚気候

夫奔豚気者、腎之積気、起於驚恐、憂思所生。若驚恐則傷神、心蔵神也。憂思則傷志、腎蔵志也。神志傷、動気積於腎、而気下上游走、如豚之奔。故曰奔豚。其気乗心、若心中踊踊、如事所驚、如人所恐、五臓不定、食飲輒嘔、気満胸中、狂痴不定、妄言妄見、此驚恐奔豚之状。若気満支心、心下悶乱、不欲聞人声、休作有時、乍瘥乍極、吸吸短気、手足厥逆、内煩結痛、温温欲嘔、此憂思奔豚之状。診其脈来触祝触祝者、病奔豚也。

諸病源候論では、奔豚気と七情・臓腑との関係についても述べています。。

パニック障害 今治 玄鍼灸院

以上のように東洋医学では、パニック障害ー奔豚気を七情と臓腑の観点から見ております。当院においても四診情報をもとに、どの臓腑がバランスを崩しているのかを判断し、バランスを取るようにしていけば、パニック障害の症状も自ずと消えてくるようになります。