高齢者ケア

高齢者を支える

WHO(世界保健機関)が「健康寿命」という考え方を提唱して以来、単に寿命を延ばすだけでなく、いかに健康な状態で生活できる期間を延ばすかということに関心が高まっています。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。高齢期では、健康な状態から要支援・要介護の状態へ移行する前の段階として、「フレイル」と呼ばれる状態があります。

フレイルには、

・ 身体的な要因
・ 心理的な要因
・ 社会的な要因


の3つの側面があります。

フレイルは、適切な対策を行わずに進行すると、日常生活の能力が低下し、要介護状態につながる可能性があります。
そのため、できるだけ早い段階から身体の状態を整え、痛みや不調によって活動量が低下することを防ぎ、自分でできることを維持していくことが大切です。
鍼灸施術も、高齢期の身体の不調を整え、日常生活をより快適に過ごすための方法の一つとして活用することができます。

フレイル 今治 玄鍼灸院

■ フレイルのチェック

フレイルの評価には、Fried(フリード)が提唱した基準が用いられることがあります。

以下の5項目のうち、3項目以上に該当すると「フレイル」、1~2項目に該当すると「プレフレイル(フレイルの前段階)」と判断します。

体重減少

意図せず、1年間で4.5kgまたは体重の5%以上減少した。

疲れやすい

「何をするのも面倒」「疲れている」と感じることが、週に3~4日以上ある。

歩行速度の低下

以前より歩く速度が遅くなった。

握力の低下

以前と比べて握る力が弱くなった。

身体活動量の低下

外出や運動など、身体を動かす機会が減った。

フレイルの状態では、筋力や身体機能が低下しているため、病気や転倒などをきっかけに、さらに身体機能が低下することがあります。例えば、健康な方であれば数日で回復するような風邪でも、フレイルの状態では体力の低下などから回復に時間がかかる場合があります。また、筋力や歩行能力の低下によって転倒し、打撲や骨折につながることもあります。さらに、転倒による骨折や病気による入院をきっかけに、活動量が大きく低下し、身体機能がさらに衰えてしまうこともあります。
そのため、フレイルの兆候にできるだけ早く気付き、適切な対策を始めることが重要です。
フレイルは、早期に気付いて生活習慣や運動、栄養などの対策を行うことで、健常に近い状態を目指したり、要介護状態への進行を抑えたりできる可能性があります。
「以前より歩くのが遅くなった」「外出する機会が減った」「疲れやすくなった」など、小さな変化を見逃さないことが大切です。

高齢者の健康と鍼灸施術

高齢になると、腰痛・関節痛・肩こり・もの忘れ・目のかすみ・手足の動かしにくさ・手足のしびれなど、さまざまな症状が現れることがあります。こうした症状は、日常生活の動作を制限し、生活の質(QOL)の低下につながることがあります。
高齢期では、筋力の低下や関節の変化、認知機能・免疫機能の変化など、加齢に伴う身体の変化が症状に関係している場合があります。
そのため、高齢者の健康を考えるうえでは、症状そのものだけでなく、「痛みやつらさを和らげ、できるだけ自分らしい生活を続けられる身体を維持すること」が大切です。
鍼灸施術では、腰痛・関節痛・肩こり・しびれなどの身体の症状だけでなく、全身の状態や体質なども考慮しながら施術を行います。

痛みや不調を軽減し、日常生活をより快適に過ごせるよう、生活の質(QOL)の維持・向上をサポートします。

今治 高齢者 玄鍼灸院

高齢者の「未病」と鍼灸施術

東洋医学では、病気になってから治すだけでなく、病気になる前の状態を整える「未病を治す」という考え方があります。高齢者に対する「未病」の観点からの鍼灸施術については、現在のところ十分に確立されたエビデンスがあるとはいえません。
一方で、鍼灸施術によって、認知機能や血圧、免疫機能などに影響を与える可能性を示した報告があります。また、定期的な鍼灸施術と、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)との関連を示した報告もあります。
こうしたことから、鍼灸は高齢期の健康維持や生活の質を支える方法の一つとして、今後さらに研究が期待されています。
当院では、症状だけを見るのではなく、身体全体の状態や体質を考慮しながら施術を行い、できるだけ健康な状態を長く維持し、自分らしい生活を送るための身体づくりをサポートします。

今治 フレイル 玄鍼灸院

また、鍼灸施術によって痛みや不快感が軽減されることで、身体を動かしやすくなり、日常生活動作(ADL)の維持・改善や、生活の質(QOL)の向上につながる可能性があります。
症状や状態によっては、薬物療法と併用しながら身体の苦痛を和らげ、日常生活を支える方法の一つとして、鍼灸施術を取り入れることができます。
このように、鍼灸は症状だけに対する施術ではなく、高齢者の身体機能や生活の質を含めて支える包括的なケアの一つとして活用できる可能性があります。

東洋医学から見たフレイルについてはこちらを参考にして下さい。

・腱板損傷 ・緑内障
・変形性膝関節症 ・圧迫骨折による痛み
・変形性腰椎症 ・坐骨神経痛
・難聴、耳鳴り ・抑うつ
・不眠 ・肩こり
・夜間頻尿 ・尿失禁・尿もれ

今治市国民健康保険・後期高齢者医療保険をお持ちの方は、痛みの症状に対して医師の同意書なしでの保険適応となります。(1部位のみに限り)

高齢者に多くみられる軟骨の摩耗や関節の変形は、鍼灸施術によって元の状態に戻すことを目的としていません。
「鍼灸を受ければ、すり減った軟骨が元に戻る」「変形した関節が元の状態に戻る」といった効果を期待される方もいらっしゃいますが、現在のところ、そのような効果を示す十分な根拠はありません。
鍼灸施術では、関節そのものの変形を元に戻すのではなく、関節の変形などに伴う痛みや動かしにくさを軽減し、できるだけ日常生活を快適に過ごせるようにすることを目的としています。また、症状の進行や身体の状態によっては、鍼灸施術だけでは十分な対応が難しい場合があります。特に、重度の関節変形があり、医療機関から手術を勧められている場合などは、安全面を考慮し、施術をお受けできないことがあります。
鍼灸は医療機関での治療に代わるものではありません。必要に応じて医療機関での検査・治療を受けていただきながら、鍼灸施術を適切に取り入れることを大切にしています。

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