メンタル鍼灸

気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、不安感に見舞われたり、集中力が続かないなどと、ストレスが多い現代社会においては、多くの方が「こころ」の病を抱えています。なかでも、うつ病、パニック障害が代表的なものとしてあげられます。

うつ病

うつ病の原因は、脳の働きに何らかの問題が起きることにより発症すると考えられています。発症にはストレスが大きく関係しているといわれています。
単に気分の落ち込みなのか、もしくはうつ病であるかの判断は、具体的な数値ではっきりと示すことは難しく、症状の程度や質、生活への支障の出方などで判断します。

うつ病

症状

症状は、身体症状と精神症状に分けられます。

【身体症状】

①睡眠障害

寝付きが悪い、眠りが浅い、普段より2〜3時間も早く目が覚めて、昼間も眠くならない。


③身体のだるさ

何となく身体が重く、けだるい。身体の力が抜けたようで、すぐに横になってしまう。


②食欲の変化

食欲が無くなり、空腹感はあっても食べたいと思わない。そのために体重がかなり減ってしまう。まれに食欲が旺盛となり、特に甘いものを好むことがあります。

④その他の諸症状

頭全体が重く痛む、胸が締め付けられて息苦しい、口が乾く、少し吐き気がある、便秘がち、性欲の減退など多彩かつ多様な症状が見られます。

【精神症状】

①関心・興味の減退

以前にはあった関心・興味のものに対して、何故かわからないが、以前ほど関心・興味が湧かなくなる。


②意欲・気力の減退

何をするのも面倒でおっくう、とくに頭を使うことが嫌になる。



③知的活動能力の減退

それまで苦にすることなく出来ていたことが、なかなか出来ずに途方にくれる。例えば新聞を読んでも頭に入らない、仕事の書類を何度も読み返すなど。

④その他の症状

理由もなく気分が沈み、何ごとも悲観的に考えてしまい、空虚感や悲しさを感じる、自分には何の価値もないと感じる無価値感、自殺企図などがあります。

東洋医学の考え

東洋医学のメンタルヘルスに対する認識は2000年以上前に書かれた「黄帝内経」の七情学説に始まります。七情とは、のことです。
この七情は外界の事物に対する情緒的反応で、常態と病態に分かれます。メンタルヘルスで問題になるのは病態の七情で、つまり情緒反応が長く続いている場合です。この状態が長く続くと、身体の調節限度を越えてしまい、感情変化をもたらし精神的疾病・心身疾病を引き起こすことになります。

発病の原因

うつ病の基本病機(病気の発生・発展・変化のメカニズム)は肝失疏泄、脾失健運、心失所養、臓腑陰陽気血失調です。主な病位(病気の位置)は肝にあり、そこから心・脾・腎に及びます。うつ病初期の病変は気滞(気の滞り)が主で、それに血瘀、化火、痰結、食滞等を伴い、多くは実証(病邪が旺盛)に属します。病の期間が長くなると実証から虚証(正気が不足)に変化します。

虚実の弁別

「虚」とは病気に対する力が低下して、身体に虚弱な反応が見られます。「実」とは身体が病気に対して力強く反応し、患部に強い痛みや腫れなどの充実した反応が見られます。

うつ病の虚実

虚証 病の期間が長く、精神不振、落ち着かない、不眠、悲しくて泣きたくなる。

実証 病の期間は比較的短く、精神抑鬱、胸脇脹痛、喉の中がつまる、ため息が多い。

うつ病の分類

 肝気鬱結型 精神抑鬱、情緒不安定、胸部満悶、胸脇脹痛、痛む所が一定しない、よくため息をつく、食欲不振、大便不調、女性の場合には月経不調、生理前に胸の張りがある。
 心神失養型 ぼんやりとし、落ち着きがなく、疑い深く驚きやすい、悲しくてよく泣く、喜んだり怒ったりする、喜んで飛んだり跳ねたりする。
 痰気鬱結型 精神抑鬱、胸の閉塞感、脇肋脹満、喉の中に何か詰まっている感じがする。
 心脾両虚型 考えることが多く疑り深い、眩暈、動悸、不眠、物忘れ、食欲はない、顔色が良くない。
 陰虚火旺型 眩暈、情緒が不安定、動悸、物忘れ、不眠、夢が多い、怒りやすい、腰のだるさ。

以上のような分類をもとに、メンタルヘルスに対して鍼灸の施術を行っております。当院に来院されるほとんどの方が、心療内科との併用をされています。メンタル鍼灸を受けられた方から、「身体がスッキリする」「頭が軽くなった」「よく眠れるようになった」「気持ちの切り替えができるようになった」等の感想を頂きます。

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