症例 心の症状 2026年10月21日 by 玄鍼灸院 20代 男性 うつ症状 【症状・来院の動機】 来院の1年以上前から、うつ症状があり、心療内科にて治療を受けていました。 鍼灸がうつ症状に対して行われることがあると知り、鍼灸施術を希望して来院されました。 仕事は自営業で、普段から仕事のことを考えていることが多く、休日でも仕事に出ることがありました。 起床後から身体のだるさがあり、すっきりしない状態が続いていました。また、気持ちが落ち込みやすく、1日に何度も動悸が起こり、呼吸が浅くなってパニックのような状態になることもありました。 気がつくと肩に力が入っており、首から背中にかけてのこり感も強くみられました。 食欲はありましたが、食事を途中で残すことが多く、以前と比べて体重も減っていました。 東洋医学的に身体の状態を確認すると、腹診では天枢・期門に圧痛があり、小腹不仁もみられました。脈は弦で、按じると弱く、舌は紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 仕事のことを常に考えていることや、身体に力が入りやすい状態、首から背中にかけての強いこり、腹診や脈・舌の状態などを総合して、東洋医学的には肝気の巡りが滞っている状態があるものと考えました。 また、長期間にわたって身体のだるさや気分の落ち込みなどが続いていること、脈を按じると弱いことや小腹不仁がみられることから、肝腎にも影響が及んでいるものと考えました。 そのため、施術では疏肝を主な目的とし、肝気の巡りを整えることを意識して施術を行いました。 施術は1週間に1回を基本とし、その時々の身体の状態を確認しながら施術内容を調整しました。 【経過】 3診目頃から身体のだるさが少しずつ減ってきました。それに伴って、気持ちが落ち込む回数も減ってきたとのことでした。 6診目には、気持ちが落ち込むことがあっても、以前より前向きに物事を考えられるようになったとのことでした。また、身体が軽く感じられるようになり、ランニングを始めたとのことでした。 6診目以降は、体調がすぐれないときに来院する形へと移行し、来院間隔も徐々に長くなっていきました。 ※症例について 心療内科での治療を継続しながら、身体のだるさや緊張感などにも着目し、東洋医学的な身体の状態を確認しながら鍼灸施術を行った一例です。 60代 女性 気分の落ち込み 【症状・来院の動機】 4年前にご主人を亡くしてから、気分の落ち込みが続いていました。特に午前中は何もする気になれず、お昼頃まで布団の中で過ごすこともありました。 外出する気力もなく、何日もほとんど外に出ないことがありました。また、些細なことを長時間考えてしまうことも多いとのことでした。 食欲も低下しており、以前と比べて体重が5~6kg減っていました。時折、吐き気や口の中の粘つきもあり、医療機関では「逆流性食道炎」と診断されていました。 眠れないときには睡眠薬を服用しており、抗うつ薬も服用していました。 初診時は表情が乏しく、問診中の会話も途切れがちでした。 東洋医学的に身体の状態を確認すると、脈は弱く、按じると弦。舌は淡紅で薄白苔。腹診では上脘・中脘に圧痛があり、肝相火にも緊張がみられました。 【東洋医学的な見立て・施術】 気分の落ち込みが長期間続いていることに加え、些細なことを繰り返し考えてしまうこと、腹診や脈・舌の状態などを総合して、東洋医学的には肝鬱気滞・肝気横逆の状態が関係しているものと考えました。 肝鬱気滞とは、ストレスや感情の影響などによって、肝が主る「気」の巡りが滞っている状態を指します。また、肝気横逆は、肝気の巡りが正常に行われず、胃腸など他の働きにも影響を及ぼしている状態として捉えます。 そこで、施術では疏肝理気を主な目的とし、気の巡りを整えることを意識しました。 主な経穴として、百会・内関・合谷・期門・太衝などを用い、その時々の身体の状態を確認しながら施術を行いました。 施術は週1回のペースで行いました。 【経過】 1診目の施術終了時には、問診中の会話が途切れることなくスムーズになり、顔にも表情がみられるようになりました。本人からは「気分がいい」との言葉がありました。 その後も週1回の施術を続け、7診目頃には、午前中から身体が軽く感じられるようになったとのことでした。 その後は、気分の落ち込みを感じたときなど、体調に合わせて来院する形となりました。 ※症例について 長期間続いていた気分の落ち込みに対して、医療機関での治療を受けながら、身体全体の状態を東洋医学的に確認し、鍼灸施術を行った一例です。 30代 男性 不安感・胸の違和感 【症状・来院の動機】 来院の4ヶ月前から体調不良がみられるようになりました。新型コロナウイルス感染症の流行によるストレスもあり、胸の違和感、頚部のだるさ、不安感などが出ていました。 内科を受診して一通りの検査を受けましたが、特に異常はみられず、その後は心療内科にも通院していました。 当院のホームページを見て来院され、薬物療法だけではなく鍼灸施術も受けてみたいとの希望がありました。 初診時は、仕事のことや「新型コロナウイルスに感染したらどうしよう」など、さまざまなことを考えてしまい、不安感が強くなる状態でした。 不安が強くなると、それに伴って胸に違和感や時折痛みを感じることがあり、頚部のだるさや熱感もありました。 東洋医学的に身体の状態を確認すると、腹診では天枢に圧痛があり、肝相火に緊張がみられました。脈は寸関が数弱、尺が数弦でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 仕事や感染への不安など、強いストレスが続いていることに加え、腹診・脈診などの状態を総合して、東洋医学的にはストレスによって肝の熱が上昇する肝火上炎の状態があり、それが心神を煩わせて不安感などにつながっているものと考えました。 そこで、施術では上昇した「火」を落ち着かせ、身体の状態を整えることを主な目的として、経穴を選び鍼灸施術を行いました。 施術間隔は週1回を基本としました。 【経過】 2診目には、不安感と胸の違和感・痛みが軽減しました。 4診目終了時には、不安感や胸の違和感・痛みは気にならなくなりました。一方で、頚部のだるさと熱感は残っていました。 6診目には、それまで気になっていた症状がなくなりました。 その後、状態を確認するため1週間後にもう一度施術を行いました。6診目から7診目までの1週間、症状の再現はみられなかったため、7診目を一区切りとして施術を終了しました。 ※症例について 強い不安感に伴って現れていた胸の違和感や頚部の症状に対して、医療機関での検査・診療を受けながら、東洋医学的に身体全体の状態を確認して鍼灸施術を行った一例です。 60代 女性 気分の落ち込み 【症状・来院の動機】 以前から定期的に当院へ来院されている方です。 今回は、秋に入った頃から、気分の落ち込み、やる気が出ない、口の中が粘るなどの症状がみられるようになりました。特に思い当たる原因はありませんでしたが、心配になり内科・脳神経外科を受診されたところ、特に異常はみられませんでした。 以前にも気分の落ち込みがあり、その際に当院で施術を受けた経過があったため、今回はこれらの症状を目的に来院されました。 来院時は外に出ることも憂鬱に感じ、食事もあまり食べたいとは思わないものの、食べ始めると普段どおり食べられる状態でした。 東洋医学的に身体の状態を確認すると、脈は細くやや弦、舌は淡紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 今回の症状では、特に「秋に入った途端に症状が現れた」という季節との関連がポイントになると考えました。 東洋医学では、五行の考え方の中で、秋は「肺」と関係が深い季節とされています。また、肺に対応する五志(五臓に関連する感情)は「悲・憂」とされ、秋には気分の落ち込みや憂いなどが身体の状態と関連して現れることがあります。 今回も、秋という季節と症状が現れた時期との関係、さらに脈や舌などの状態を総合して、肺の働きを整えることを中心に施術を行うこととしました。 施術では肺経の経穴を中心に、肺の「子」にあたる腎経の経穴も組み合わせました。主な経穴として、太淵・復溜・太谿などを使用しました。 【経過】 1診目の施術終了時には、「頭がスッキリした」「口の中が爽やかになった」とのことでした。 2診目は2日後に来院され、1診目と同様に施術を行いました。 、2診目から約2週間後に別の症状で来院された際に確認したところ、気分の落ち込みややる気が出ないといった症状は、2診目以降は感じていないとのことでした。 秋という季節との関連にも着目し、五行・五志の考え方をもとに身体全体の状態を確認しながら鍼灸施術を行った一例です。 20代 女性 気分の落ち込み・不眠 【症状・来院の動機】 当院のホームページを見て来院されました。 2ヶ月ほど前から職場でのストレスをきっかけに精神的に不安定になり、心療内科を受診したところ、うつ病と診断されました。 常にさまざまなことを考えてしまい、寝つきが悪く、眠っても1時間に1回ほど目が覚めてしまう状態でした。昼寝はほとんどありませんでした。 また、うつ病と診断されてから月経痛も強くなったとのことでした。自傷行為の跡もみられ、来院の1ヶ月前から休職していました。 薬の服用をできるだけ少なくしたいこと、また、できるだけ早く仕事に復帰したいという希望から、心療内科での診療を受けながら、鍼灸施術を希望して来院されました。 普段から水分を多くとり、甘いものをよく食べるとのことでした。身体を確認すると、頚部から肩にかけて強い緊張があり、下肢には浮腫がみられました。 東洋医学的に確認すると、脈は細弦、舌は淡白で歯痕があり、白膩苔がみられました。 【東洋医学的な見立て・施術】 職場でのストレスをきっかけとして症状が現れたことに加え、睡眠の状態、食生活、頚肩部の緊張、下肢の浮腫、脈や舌の状態などを総合して、東洋医学的には心・脾の働きが乱れている状態が関係しているものと考えました。 東洋医学では、強い精神的な負担が続くと、心神の状態や気血の働きに影響し、さらに脾の運化機能にも影響することがあります。今回もこうした考え方から、心・脾の働きを整えることを主な目的として施術を行いました。 施術では、その時々の身体の状態を確認しながら、心・脾に関係する経穴を中心に鍼灸施術を行いました。 【経過】 1診目から3診目までは、2~3日おきに施術を行いました。 3診目終了時には、本人から気分の落ち込みが軽減してきたとの話があり、表情にも笑顔がみられるようになりました。 その後は1週間に1回程度のペースで施術を行いました。 5診目を終えた時点で職場へ復職されました。 ※症例について 心療内科での診療を継続しながら、睡眠や身体の緊張、浮腫なども含めて全身の状態を東洋医学的に確認し、鍼灸施術を行った一例です。 40代 男性 鼠径部痛・咽の詰まり・不安感 【症状・来院の動機】 来院のひと月前、車を運転中に両側の鼠径部から腰にかけて痛みが出ました。 また、目がチカチカする感じがあり、対向車とすれ違う際に不安を感じるようになりました。 仕事で車を運転する機会が多く、「このままでは運転できない」と判断し、勤務中でしたが同僚に迎えに来てもらいました。 その後、しばらく仕事を休むことになりました。 まず内科を受診しましたが、特に異常は認められず、その後、心療内科を受診して「自律神経失調症」と診断されました。 処方された薬を服用していましたが、症状が思うように変化しないことから、当院に来院している患者さんからの紹介で来院されました。 初診時は、鼠径部から腰にかけての痛み、目がチカチカする感じ、頚から額にかけての突っ張り感がありました。 また、喉が詰まったような感じがあり、仕事のことなど、さまざまなことを考えてしまう状態でした。 食欲は正常でした。 脈は浮弦大、舌は紅でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 今回の症状の中でも、特に鼠径部の痛みと「喉が詰まったような感じ」に注目しました。 東洋医学では、喉に何かが詰まっているように感じるものの、検査などで明らかな器質的な異常がみられない状態を、梅核気と捉えることがあります。 今回も、仕事のことなどをさまざまに考えてしまう状態や、頚から額にかけての突っ張り感などを合わせて身体全体をみたところ、気の巡りの乱れが関係しているものと考えました。 、気の巡りを整えることを意識しながら、気海・膻中・足三里・蠡溝を主穴として施術しました。 また、目や頚、頭部など、その時々に気になる症状に応じて関連する経穴にも鍼を行いました。 しばらくは週2回のペースで施術を行うことにしました。 【経過】 3診終了時には、鼠径部の痛みと喉の詰まった感じが気にならなくなりました。 4診目以降は、頚から額にかけての突っ張り感が午前中に少し気になる程度となり、「気分的に落ち着いた感じがする」とのことでした。 来院から約1か月が経った頃には職場に復帰されました。 運転中の目のチカチカする感じや、対向車に対する不安も気にならなくなり、午前中の頭部の症状が少し気になる程度でした。 職場復帰後は1~2週間に一度のペースで来院され、「鍼をしていると体調がよい」と話されていました。 その後も、その時々の体調に合わせて施術を続けています。 30代 男性 めまい・喉の詰まり・呼吸のしづらさ 【症状・来院の動機】 当院ホームページをご覧になり来院されました。 8年前にパニック障害と診断されたことがあり、その後は症状が落ち着いていましたが、来院の約1か月前から以前と似た症状が再び現れるようになりました。 今回は心療内科を受診しておらず、薬物療法にはできるだけ頼りたくないとのことで、鍼灸施術を希望されました。 症状は、めまい、後頭部の突っ張り感、首のつけ根のこり感、喉が詰まるような感じ、呼吸のしづらさ、広い場所が苦手、逃げ場のない場所に不安を感じる、目のかすみなど、多岐にわたっていました。 仕事は来院の2週間前から休んでいました。 また、眠り過ぎる傾向があり、手足が冷えやすい状態でした。 脈は右弦、左弦滑。 腹診では上腹部に脹満感、下腹部に緊張があり、左肓兪に圧痛がみられました。 【東洋医学的な見立て・施術】 症状は多彩でしたが、めまいや喉・胸部の違和感、呼吸のしづらさなどを身体全体の状態と合わせてみたところ、東洋医学でいう奔豚気の状態が関係しているものと考えました。 そこで、身体の気の巡りを整え、胸部や頭部の緊張を調整することを意識して施術を行いました。 主に使用した経穴は、百会・合谷・膻中・内関・中脘・関元・太衝・三陰交・太谿などです。 【経過】 初回の施術終了後には、首のつけ根がかなりすっきりし、「視野がはっきりとして、身体が軽くなった」とのことでした。 2診目は3日後に来院されました。 初回の施術以降、身体が軽く感じられ、頭部の症状も出ていないとのことでした。 2診目も初回と同様に、全身の状態を確認しながら施術を行いました。 施術終了後には、「仕事に復帰できそうなので、復帰します」と話されました。 その後は症状の変化をみながら来院するようお伝えし、2診目を一区切りとしました。 関連ページのご案内 ▶ メンタルヘルスに関する鍼灸はこちら メンタルヘルスに関する不調と、東洋医学に基づく鍼灸施術の考え方をご紹介します。 ▶ 身体の不調に対する鍼灸はこちら 身体のさまざまな不調と、東洋医学に基づく鍼灸についてご案内します。 なかなか改善しない身体の不調、東洋医学から見直してみませんか? 体質や身体全体の状態をみながら一人ひとりに合わせて鍼灸施術を行っています。 ―Web予約は24時間受付しています―