経絡から見た頭痛

先月末から頭痛を主訴として来院される方が多く、今回は経絡から見た頭痛について書いていきます。

以前にはblogで頭痛(後頭部の痛み)頭痛〜東洋医学的な考え〜を書いているので、そちらも参考にしてみてください。

頭部の経絡

経絡は経脈と絡脈によって形成されています。「経」には「まっすぐな道」、「絡」には「網」という意味があります。つまり経脈は経絡の中では主幹をなし、深い部位を一定した規則に沿ってめぐります。絡脈は経脈の分枝、経脈と比べると細く、小さく、全身を網の目のように分布しています。この経絡の中を気、血が運行する重要な通路であると東洋医学では考えています。

頭痛でよく診る経絡は下の図のように、足の太陽膀胱経と足の少陽胆経です。この経絡は大小後頭神経の走行に一致しており、こちらの経絡上に痛みを訴える方が多くいます。

足の太陽膀胱経
足の少陽胆経

頭痛における経絡の見分け方

上のイラストのように痛みがどの経絡にあるかによってどの経絡が病んでいるかを判断していきます。

足の太陽膀胱経

《素問・繆刺論》に「邪客於足太陽之絡、令人頭項肩痛(邪気が足の太陽経にいすわると、人は頭、うなじ、肩が痛くなる)」、《類経・疾病類》に「腰背頭項、皆太陽経也、陽虚則寒邪居上、故為痛(腰、背中、頭、うなじは全て太陽経、陽が弱くなると寒邪が上にいすわるので、痛みが生じる)」とあります。
足の太陽膀胱経の場合、頭痛とともに頸部の痛みや違和感がみられることが多くあり、うなじにも症状があれば膀胱経が病んでいると判断します。

足の少陽胆経

《霊枢集注・厥病》に「少陽之上、相火主之、火気上逆、故頭痛甚、而耳前後脈涌而熱、先瀉出其血、而後取其気。少陽胆経受邪、多従火化、其症多為実熱証(少陽は相火が主り、火が炎上すると頭痛がひどく、また耳が熱い。少陽胆経に邪気があると、火が起こりやすく、症状の多くに熱の症状が見られる。)」とあります。
足の少陽胆経の場合、頭痛とともに耳が熱い、または耳鳴りがよくみられます。またストレスなどの精神的負担があると体内で熱が生じるので、イライラしやすい、寝付きが悪いなどの症状もみられるので、足の少陽胆経が病んでいると判断しやすいです。

鍼灸での施術

鍼灸での施術はどの経絡に痛みがあるかを判断したら、その経絡に関連する手や足のツボに鍼や灸を施していきます。頭痛が酷いときは、頭にあるツボにはあまり刺激を加えないで、手や足のツボに強目の刺激を加えていきます。強目と言っても鍼を刺した場所がピリッとする程度です。
頭痛に限らず、どの症状も発症から経過が経っているものは施術回数を重ねる傾向があります。しかし発症から早めに来院される方だと、大体5回以内の施術で頭痛が消失しております。