傅青主女科 調経⑤

年老经水復行

婦人有年五十外或六、七十歳忽然行経者、或下紫血塊、或如紅血淋、人或謂老婦行経、是還少之象、誰知是血崩之漸乎。夫婦人至七七之外、天癸已竭、又不服済陰補陽之薬、如何能精満化経、一如少婦。然経不宜行而行者、乃肝不蔵脾不統之故也、非精過洩而動命門之火、即気郁甚而発竜雷之炎、二火交発、而血乃奔矣、有似行経而実非経也。此等之症、非大補肝脾之気与血、而血安能驟止。方用安老湯。

意訳

女性が50歳、もしくは6,70歳なのに突然行経(生理)が起こり出血が見られる、これを老婦行経と言い、珍しい現象であるが、だれも血崩であることを知らない。女性が七七(49歳)以降では天癸は既に尽きており、済陰補陽の薬を服用しないで、どうして精が満たされて経(生理)が来るのか。生理が来るのは、肝が蔵されず脾を統べていないためである。過度に精気を消耗しないでも相火を妄動させると、気鬱不舒により肝火を触発して肝火が旺盛となる。命門の火と肝火が抵触すると血がはしる、行経(生理)に似ているが行経(生理)ではない。この症状には肝脾の気血を補い血を安定させると血がはしるのが止まる。安老湯を治療に用いる。

解釈

この条文では女性が七七(49歳)以降に生理様の出血が見られ、女性の場合には七七(49歳)以降には天癸が尽きて生理は来ないものと東洋医学では一般的に考えます。ではなぜに生理様の出血が見られるのか?それは脾気が素から弱い、或いは悩みごとで脾を傷つける、或いはストレスで気の流れが悪くなる、或いは性生活の乱れなどにより肝腎の火を触発してしまい肝、脾、腎の働きに異常をきたし気血のバランスが悪くなり、出血という形で現れたと考えます。肝、脾、腎の働きに異常をきたすことから、出血以外にも眩暈、食欲があまりない、横になりたがる、顔色が良くない、便が緩くなる等の症状が見られます。
鍼灸でこの様な症状に対して施術を行う場合にも、肝脾の気血を補うツボに鍼・灸を施していきます。この条文では七七(49歳)以降の女性について書かれていますが、年代は関係なく、女性の不正出血で同じ様なメカニズムが見られることがしばしばあります。


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