まだまだ猛暑が続きそうで、嫌になりますね。今回は「機能性ディスペプシア」について書いていこうと思います。
機能性ディスペプシアとは?
機能性ディスペプシアは、胃もたれや胃痛、胃の膨満感などの胃の症状が一時的ではなく慢性的にあり、検査で胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどのような異常ない状態を総称した病名です。ひと昔前ならストレス性胃炎などと診断されていました。
□ よく見られる症状
・お腹が痛い
・吐き気がある
・ゲップが出やすい
・胃が重い
・みぞおちの痛み
・少し食べるだけお腹がいっぱいになる
・etc
機能性ディスペプシアの診断基準は、心窩部(みぞおち)痛、心窩部灼熱感、食後のもたれ感、早期飽満感のうち1つ以上の症状があり、診断される6か月以上前からあり、直近の3か月間にも症状が続いていることが基準となります。
□ 原因
機能性ディスペプシアの原因としては、明確な原因が1つだけあるのではなく、様々な原因が複雑に絡み合って症状が出現することが多いです。その中でも特に重要なものとして以下の4つがあげられます。
・胃や十二指腸の運動機能が障害されている
・胃や十二指腸に知覚過敏が生じ、胃の拡張刺激、胃酸や脂肪に過敏となっている
・不安や抑うつ症状など精神的な影響が胃や十二指腸をコントロールする脳と胃の間をとりもつ自律神経(脳腸相関)に影響し、胃や十二指腸に変化が起こる
・胃酸の刺激
東洋医学から見た「機能性ディスペプシア」
当院にも医療機関で「機能性ディスペプシア」と診断されて、薬の服用で思うように改善されず来院されるケースが多くあります。
「機能性ディスペプシア」となる原因は様々ありますが、当院でよく見られる症例では、五臓六腑の中の肝臓・脾臓の働きが悪くなっているケースが多く見られます。
脾臓は消化吸収や代謝をコントロールし、気血を作り出します。肝臓は自律神経と関係が深い臓腑で、情緒を安定させる働きがあります。
五行の相生相剋関係から肝臓(木)の働きが高まりすぎると脾臓(土)を攻撃してしまい、胃腸の働きが悪くなるケースもよく見られます。
鍼灸の施術は、自律神経に作用して胃腸の働きを整え、また脳に作用して神経の興奮や機能性ディスペプシアに特有な胃腸の過敏を緩和する作用があることが論文で発表されています。
症例はこちらです。来院時の参考にしてください
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