今回は「うつ病(不安)」について書いていきます。
当院に訪れる患者さんは心療内科に通院しており、あまり薬に頼りたくない、薬の副作用が怖い、もしくは鍼灸がうつ病にも効くと聞いたから等で来院される患者さんが多いです。
うつ病には多彩な症状がありますが、なかでも当院に来院される患者さんは「不安」を主訴に来院するケースが増えて来ています。
不安
不安を辞書で調べますと、<気がかりで落ち着かないこと。心配なこと。また、そのさま。>とあります。
患者さんとの会話の中で気づくことは、「今後○○○になってしまうのではないかと思い不安になる」、「もし○○○になると周りに迷惑をかけてしまう」などと○○○になるのではないとかと考え不安に陥っているようです。
東洋医学の考え
不安に関係する臓腑は肝、心、脾です。以前のblogで七情で肝については書いているので、今回は心と脾について見ていきます。
古医書である《景岳全書・鬱証》には「凡五気之鬱則諸病皆有、此因病而鬱也。至若情志之鬱、則総由於心、此因鬱而病也。」、また《臨証指南医案・鬱》に「今所輯者、七情之鬱居多、如思傷、怒傷肝之類是也。其原総由於心・・・。」とあります。
意訳すると五臓にそれぞれ鬱があるが全て心から出ている。つまり鬱の大本は心であることが分かります。
また《景岳全書・鬱証》に「思則気結、結於心而傷於脾也。」、《理論駢文》に「思傷脾者、気留不行、精聚中脘、不得飲食、腹脹満、四肢怠堕」とあります。
意訳すると思うと気が結(ここでは留まると解釈)、その結は心にあり、また脾が傷つく。思により脾が傷つくと気がめぐらなくなり、食欲不振、お腹が張る、手足がだるいなどの症状が出るです。
つまり思は心が大本で、思により気の結が心でおきてしまい、気の流れが悪くなり、気の流れが悪くなると血の流れも悪くなります。心血は神(精神活動のこと)を養うので、心血の供給が不足すると不安が生じてしまいます。また思により脾も傷つくので主に消化器症状が出てきます。このような流れで不安感が出てくると東洋医学では考えています。
どのように鍼灸をするのか?
不安になる臓腑が主に肝、心、脾であるのでその臓に関連する穴に鍼灸を施していきます。よく当院で使用する穴は内関・神門・中脘・合谷・太衝・百会・三陰交・太谿・心兪・肝兪・腎兪などです。一度にこれらの穴に鍼灸をするのではなく、患者さんの状態にあわせて使用する穴を決めていきます。定期的な施術で不安やそれに伴う症状も解消していきます。早い患者さんだと2回ほどの施術で不安感が解消します。
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