傅青主女科 種子⑥

肥胖不孕

婦人有身體肥胖、痰涎甚多、不能受孕者、人以為気虛之故、誰知是湿盛之故乎。夫湿従下受、乃言外邪之湿也。而肥胖之湿、実非外邪、乃脾土之内病也。然脾土既病、不能分化水穀以養四肢、宜其身體瘦弱、何以能肥胖乎。不知湿盛者、多肥胖。肥胖者、多気虛。気虛者、多痰涎、外似健壮而内実虚損也。内虚則気必衰、気衰則不能行水、而湿停於腸胃之間、不能化精而化涎矣。夫脾本湿土、又因痰多愈加其湿、脾不能受熱、必津潤於胞胎、日積月累、則胞胎竟變為汪洋之水窟矣。且肥胖之婦、内肉必満、遮隔子宮、不能受精、此必然之勢也。況又加以水湿之盛、即男子甚健、陽精直達子宮、而其水勢滔滔、泛濫可畏、亦遂化精成水矣、又何能成妊哉。治法必須以泄水化痰為主。然徒泄水化痰、而不急補脾胃之気、則陽気不旺,湿痰不去、人先病矣、烏望其茹而不吐乎。方用加味補中益気湯

意訳

婦人が太っており、口中の唾が多くて妊娠できない人は、気虚のためとしているが、湿が盛んであることを誰も知らない。湿は下から侵入し、外邪の湿と言われる。太っている人の湿は、外邪ではなく脾虚により運化ができずに生じる内湿である。脾土が病むと食物を消化吸収して四肢を養うことができずに、身体は痩せて弱くなるが、どうして太ってしまうのか?湿が盛んであれば、多くは太ってしまう。太っている人の多くは、気虚である。気虚の人は外見は壮健であるが、内側は弱っている。内が虚せば気は必ず衰え、気が衰えれば水がめぐることができず、湿が腸胃の間に留まり、精や涎を化すことができない。脾は湿土、痰が多いとますます湿が加わり、脾は消化ができず、津は胞胎を潤すが日毎に溜まってるので、胞胎が水筒の様になってしまう。また太っている女性の内側は肉で満たされており、肉が子宮をさえぎり、精(精子)を受け入れることができない。水湿が加わっている状態で、男性は健康で精子が子宮に到達しても水が滔々としていて、氾濫する恐れがあれば、どうして妊娠することができるのか?治法は水や痰を除くことを主とする。薬は加味補中益気湯を用いる。

今治 不妊 鍼灸 玄鍼灸院
医方大成論和語鈔より抜粋

解釈

ここでは太っている女性が妊娠できない理由を述べています。太っている女性は口角に唾が溜まっており、それは気虚によるもであるとされているが、湿によるものです。この湿には2種類あり、それは外湿と内湿です。ここで問題になっているのは内湿です。この内湿は脾が弱ると生じてしまいます。脾が弱いと食物を消化吸収して、栄養物質を身体全体に送ることができずに痩せてしまうのに、何故太っているのか?それは体内に多くの内湿があるので太るのです。この内湿が水の流れを止めてしまっている状態(水ぶくれ)、当然子宮も水が溜まった状態になっています。また太った女性は子宮を肉で塞いでしまうので、精(精子)が子宮にまで到達できないので、妊娠することができないのです。
つまりこの章では、子宮に水が溜まっているので精(精子)が入ってきても大海をさまよって様で卵子と出会えないばかりか、水が溢れ出て精(精子)が流されてしまう。また肉が子宮を塞ぎ、精(精子)が入ることすらできないことを述べています。
臨床では、内湿が溜まっている人をよく見かけます。分かりやすい特徴としては、舌の苔が白く厚く、帯下が多い等です。この章のような不妊女性は、まず内湿や余分な水を外に出す必要があります。主には排尿を促す穴を使用していきます。この内湿は甘いものや油っぽい物を取りすぎても溜まりやすくなるので、程々に摂取する必要があります。


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