耳鳴

今回は耳鳴について書いていきます。当院では年に数名の方が、耳鳴を主訴に来院されます。大半の方が一度は耳鼻科を受診しているが、改善が思わしくないので鍼灸を受けに来るというパターンです。

耳鳴とは?

今治 耳鳴 玄鍼灸院

耳鳴は実際には音がしていないにもかかわらず、どちらかの耳元や耳の奥でキーン、ジーンという音を感じる現象のことを言います。ほとんどの人が耳鳴を経験したことがあると思いますが、それが長期間続いて自覚している人は、人口の約10〜15%と言われています。一般には男性が多く、高齢になると女性に多くなる傾向があります。
耳鳴が起こるメカニズムは未だハッキリとはしていません。しかし、音が伝わるルートのどこかで起こる障害によって耳鳴が発生すると言われています。
耳鳴は音が聞こえずらくなった時、音を聞こうとして脳が過度に興奮して起こる症状と考えられています。(耳鳴は症状であって疾患ではありません。)音が聞き取りにくくなると、耳から脳に伝わる電気信号が届きにくくなります。そのために脳は過剰な興奮状態になり、弱くなった電気信号を強くしよとします。それによって電気信号が強くなり、それが耳鳴として聞こえてしまうということが耳鳴が起きるメカニズムと考えられています。

耳鳴の原因

耳の病気によるもの

耳鳴を起こす病気としては、突発性難聴、メニエール病、老人性難聴、聴神経腫瘍、外傷などが挙げられます。

耳の病気以外によるもの

耳の病気以外で耳鳴を起こすものとして、ストレス、不眠、疲労、騒音、むち打ち、顎関節症などが挙げられます。

耳鳴の原因は、耳の病気や全身の病気である場合もあり、また薬の副作用で起こることもあります。しかし、耳鳴の原因を特定できないことのほうが多くあります。

耳

東洋医学の考え方

東洋医学では耳と五臓六腑や経絡と密接な関係があると考えています。
古医書の中に、《素問・陰陽応象大論》に「腎主耳」(腎は耳を主る)、《霊枢・口問》に「耳者宗脈之所聚也」(耳は経絡が集まる所)、《霊枢・邪気臓腑病形》に「三百六十五絡、其血気皆上于面、而走空竅、其精陽気、上走於目、而爲睛、其別気、走於耳、而爲聴」(三六五絡、その血気は顔に上り、空竅に行き、その陽気は目に行き睛をなし、別の気は耳に行き聴をなす。)とあります。
このように耳鳴は身体の一部の症状ではあるけれど、全身の経絡や五臓六腑の異常により起こるものと考えます。

今治 耳鳴 玄鍼灸院

東洋医学における耳鳴の分類

当院でよく見られる耳鳴の分類です。

肝火上炎

<主な症状>
キーンという高音で突然起こる耳鳴・難聴、ストレスがあるとひどくなる。
<付随する症状>
頭痛、顔色や目が赤い、口が苦く感じる、胸苦しい、便秘など。

痰火鬱結

<主な症状>
ヒューヒューという耳鳴、耳の中が詰まった感じがする、ひどい場合には聞こえにくい。
<付随する症状>
めまい、頭が重い、痰が多くでるなど。

腎精不足

<主な症状>
ジーという低音で蝉の鳴き声の様な耳鳴、疲れがある時や夜間に耳鳴がひどくなる。
<付随する症状>
めまい、腰や膝のだるさ、不眠、物忘れなど。

脾胃虚弱

<主な症状>
疲れがある時や立ち上がったりすると耳鳴がひどくなる。
<付随する症状>
食欲があまりない、倦怠感、顔色につやがない、軟便など。

施術方法

当院で行う耳鳴の施術は、以下の4つの方法を組み合わせて行っていきます。

・耳の周囲や内耳の血流改善を目的に耳の周囲の穴に鍼を行います。
・耳鳴を訴える患者さんの多くが、首や肩の筋肉に硬さが見られるので、首や肩の筋肉に鍼を刺して筋血流、筋肉の硬さを改善させていきます。
・ストレスから耳鳴がひどくなる場合には、リラックス効果を引き出すツボに鍼や灸を施します。
・上記の耳鳴の分類をもとに、全身調節を行います。

当院では主にこのような施術で耳鳴の改善を図っています。