二人目不妊

厳しい暑さが日々続きますね。
今回は「二人目不妊」について書いていきます。当院の不妊鍼灸に来院される半数は「二人目不妊」です。それだけ「二人目不妊」に悩んでいることの証左だと思います。

二人目不妊とは?

今治 不妊 玄鍼灸院

二人目不妊の定義としては、「一人目の産後の母乳期間を終了してから、避妊をせずに夫婦生活を続けているのも関わらず一年以上妊娠に至らない状態」です。
一人目の子供が自然に妊娠・出産ができた場合でも、一人目の妊娠・出産した時とは体も環境も違っています。

二人目不妊の原因

一人目の妊娠・出産年齢が上がり、二人目を望む年齢も上昇します。母体の加齢に伴って卵子が老化し、受精・妊娠しにくくなります。卵子の質は35歳を過ぎると低下が早くなります。また卵巣機能の低下に加え、育児や仕事、生活環境の変化などの要因も生殖機能に影響を及ぼす可能性があります。

卵管は排卵した卵子を卵管内に導く働きを備えています。卵管の先にはある卵管采はイソギンチャクのような形をしており、卵巣から排卵された卵子をキャッチしますが、このキャッチする働き(ピックアップ機構)が働かないと卵子は卵管に誘導されず、精子と出会うことができません。この働きが悪い(ピックアップ障害)は、原因がハッキリとしない“機能性不妊症”の原因の一つと考えられています。

精子は精巣で細胞分裂により常に新しい精子が作られています。精子も卵子と同様に加齢や外的要因による影響を受けています。そのために造精機能の低下や精子の質の悪化(運動性の低下や奇形率の上昇)が生じます。

一人目の育児や仕事などにより性交渉の回数が減少し、妊娠の機会が減少します。妊娠するためには性交渉のタイミングは重要ですが、タイミングは一日のズレも許されないほど精巧なものではありません。射精後の精子は数日間は生きているので、排卵日を挟んで妊娠が可能な日は数日間はあります。

東洋医学の考え方

今治 不妊 玄鍼灸院

二人目不妊の原因は、第一子の妊娠・出産・産後にあると考えます。
妊娠中の母体は胎児を養い、出産・産後においては体力をかなり消耗します。出産時の出血、産後の悪路の排出、子宮の回復、出産後には哺乳、育児とお母さんにとっては連続した負担が続きます。そのために産後はホルモンの働きが悪くなり、血行が悪くなります。
つまり第一子の出産による体の消耗により第二子の妊娠がしにくい体になっていると考えます。

「血」を重視

妊娠・出産と母体は東洋医学で言う「血」をかなり消耗します。母乳も「血」が変化したものであると考えます。
【女科経論】という古医書の中に、“人之育胎、陽精之施也、陰血能摂之、精成其子、血成其胞、胞孕乃成。今婦人無子、率由血少不足以摂精也。血少固非一端、然欲得子者、必須補其精血、使無虧欠、乃可成胎孕。”(人の妊娠には精と血が交わり、妊娠する。妊娠出来ないのは血が不足した状態で精を摂るからである。血が少ないだけが原因ではないが、精と血を補えば妊娠することができる。)と述べています。

不妊症の症例はこちら



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