不妊症 主に腎について

不妊症で鍼灸との併用を希望して当院に来院される方が、徐々に増えています。また併用することにより妊娠報告を聞くことも多くなっています。
そこで今回は東洋医学における腎から見た不妊症について書いていきます。

腎とは?

ここで言う「」は、西洋医学で言うところの腎臓ではなく、東洋医学でいう《腎臓》です。

腎の主な働きには、
・腎は精をためる
・腎は水を主る
・腎は気を納める
・腎は骨を主り、歯は骨の余である
・腎は髄を生じて脳を充たす
・腎の華は髪にある
・腎は耳と二陰に開竅する

腎の働きは主に以上のようなものがあり、生殖・生長・老化など人の一生にわたる生命の推移に深く関係しています。腎は五臓の本とも言われていて、最も重要な臓腑です。

古医書からみた不妊

『素問・上古天真論篇第一』には女性のライフサイクルについて書かれています。

女子七歳腎気盛.歯更髪長.二七而天癸至.任脈通.太衝脈盛.月事以時下.故有子.三七腎気平均、故眞牙生而長極.四七筋骨堅.髮長極.身體盛壯.五七陽明脉衰.面始焦.髮始墮.六七三陽脉衰於上.面皆焦.髮始白.七七任脉虚.太衝脉衰少.天癸竭.地道不通.故形壞而無子也.

女性は7の倍数の年齢の時に節目をむかえます。男性の場合には8の倍数になります。
7歳で腎気が盛んとなり歯が生え替わり、14歳で初潮をむかえ、21歳で腎気のバランスがとれ女性の体ができ上がり、28歳で女性として体が最も充実し、35歳で容姿の衰えが見えはじめ、42歳で白髪が目立ちはじめ、49歳で腎気が衰え閉経をむかえ、妊娠することが難しい。

このように腎は人における成長に深くかかわっており、腎の気が不足すると身体および生殖器の発育不全、生殖機能の異常などが起こります。
腎の働き、もしくは腎の弱りがあると不妊症の原因となると考えます。

腎の弱り

腎の弱りを腎虚といい、この腎虚はさらに腎陰虚と腎陽虚に分けて考えます。

腎陽虚は腎の働きの低下を指し、排卵がない、黄体機能不全、無月経、手足の冷え、寒がりなどの症状が見られます。
腎陰虚では、卵管の粘液分泌が不足するなどの体液の問題が子宮でおこる場合に見られます。

来院される方に多く見られるのが腎陽虚です。基礎体温を見ると二相性になっていないことが多く、排卵していない、もしくは黄体機能不全であるために低温期と高温期の差があまり見られないことが多いです。
妊娠においては腎の働きが非常に重要で、例えると家の基礎の部分に当たります。基礎がしっかりとしていないと上に建つ家も安定しないように、着床しても基礎が安定していないのでそれを支え続けることができないことになります。先ずは腎の働きを高めることを施術の第一目標にします。

不妊鍼灸の症例はこちらを参考にして下さい。