胃のもたれ・痛み

先月から胃のもたれ・痛みを主訴を来院されている方が増えてきています。当院に来院する前に内科での検査では異常が見つからず、胃酸を抑える薬や胃の働きを改善する薬を処方されて服用しているにもかかわらず、症状の改善が見られないので来院するケースがほとんどです。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシア、あまり聞き慣れない名前かもしれません。以前は、症状から胃に炎症が見られず「慢性胃炎」「神経性胃炎」と診断されていました。
この機能性ディスペプシアは、約10に1人の割合で患者さんがいるといわれている身近な病気です。男性よりも女性に多く見られます。

機能性ディスペプシアの症状

主には以下の症状が見られます。

①胃の痛み
②胃が熱くなる
③食後にお腹が張り、胃もたれがある
④すぐにお腹がいっぱいになる

診断では胃のもたれや胃の痛みなどの症状が、週に1〜2回以上現れ、1ヶ月以上続いているかがポイントとなります。

機能性ディスペプシアの原因

胃の働きは自分の意志に関わらずに働いている自律神経によって調節されています。身体を守っている自律神経は、恐怖・不安・危険などに敏感です。そのためにストレスがかかると自律神経の働きが乱れてしまい、胃の運動が低下したり、胃酸の刺激に敏感となってしまい胃の働きが乱れてしまいます。また自律神経の乱れは、肉体的な疲労によっても起こります。

東洋医学の考え

東洋医学では、胃の不調は脾胃(東洋医学の臓腑)の働きが弱くなったために機能性ディスペプシアの症状が出現すると考えます。証(患者さんそれぞれが持つ体質や症状)で言えば、主に胃熱・肝脾不和などが挙げられます。

胃熱

刺激物や脂っこいものの食べすぎ、精神的ストレスなどによって胃に火が生じたもの。症状には、口臭・喉の乾き・口内炎・胸焼け・嘔吐などが見られます。

肝脾不和

精神的ストレスによって肝気の流れが悪くなり、肝脾不和となる。症状には、みずおちが腫れるように痛む・げっぷ・酸っぱいものがこみ上げる・嘔吐・吐き気・イライラしやすい・怒りやすいなどが見られます。

具体的な施術方法は、胃に生じた熱を消し、肝気の流れを良くするツボに鍼・灸を行っていきます。使用するツボとしては、内関・足三里・公孫・三陰交などを使用します。

鍼灸治療による機能性ディスペプシアの症状改善のメカニズム

鍼灸治療が、自律神経の神経活動や神経伝達物質、消化管ホルモンの分泌を促すことで胃の運動を調節すると考えられています。また鍼や灸が大脳や脳幹、視床にも作用し、機能性の症状やうつ症状、不安感などを改善すると考えられています。