打撲

今回は打撲の診断を受けてから、当院に来院するケースが増えてきています。
当院では打撲直後に来院することは少なく、打撲をした後に痛みがなかなか引かない、もしくは整形外科で診てもらい、骨には異常は無いけども痛みがなくならないので来院するケースが多く見られます。

打撲とは?

いわゆる「打ち身」のことで、誰しも一度は経験したことはあるかと思います。
これは何らかの衝撃によって身体の一部におこる損傷のことです。一般的に打撲をすると皮膚やその下にある皮下組織(筋肉・脂肪・血管など)を傷つけてしまうので、出血や炎症がおこります。打撲したところは、皮膚が青黒くなりますが、これは内出血がおこったもので、また腫れも現れます。皮膚の色は、時間の経過とともに茶色→黄色→緑色と変化していきます。
軽い打撲であれば1週間から2週間で治りますが、頭や眼などの部位の打撲は、重症な症状になる可能性があるので、医療機関での精査をおすすめします。

今治 打撲 玄鍼灸院

原因

打撲が起こる原因としては、

・転倒したとき
・ものにぶつかったとき
・スポーツをしたとき
・喧嘩やふざけあっていたとき
・暴力を受けたとき

当院で来院するケースで多いのは、転倒した後に来院する場合です。よくあるのは、庭いじりをしている時に石につまずき、膝や腰、お尻を地面に打ち付けた後から痛みがなかなか引かないケースです。

東洋医学から見た打撲

打撲は皮膚や皮下組織の損傷ですが、東洋医学では皮膚、皮下組織の損傷であっても臓腑、経絡、気血、筋骨の機能失調を招くと考えます。
《正体類要》という本では、“肢体損於外、則気血傷於内、営衛有所不貫、臓腑由之不和”(外で手足が傷つくと、内では気血が傷つき、気の流れが悪くなり、臓腑が不和となる)と書かれています。局所の異常が全体に影響することを述べています。

気・血との関係

気は人体を構成する最も基本的な物質、臓腑の正常な機能活動を維持させます。血は全身を栄養と潤す重要な物質です。気血は互いに助け合い、全身を巡っています。
打撲と気・血とは非常に密接な関係にあります。
《素問・陰陽応象大論》と言う古医書の中で、“気傷痛、形傷腫、故先痛而後腫、気傷形也。先腫而後痛者、形傷気也。”(気が傷つくと痛み、形が傷つくと腫れる、そのために先に痛み、後で腫れるのは気が形を傷つけたものである。先に腫れて、後で痛むのは、形が気を傷つけたものである。)と述べられています。これは、打撲により筋肉が傷つくと気の流れが悪くなり、気が不通則痛の状態になり、血が溢れて腫れる状態を述べたものです。つまり打撲による痛みと腫れが気血と関係することを述べたものです。

経絡との関係

経絡は気血を全身に運び、そのぞれの機能を調節する通路で、各組織器官を濡養する作用があります。
《聖済総録・傷折門》と言う古医書の中で、“若因傷折、内動経絡、血行之道不得宣通、瘀積不散、則為腫為痛、治宜除去悪瘀、使気血流通、則可以復元也”(もし外傷などで傷つくと、内では経絡が乱れ、血がスムーズに流れず、血が停まり腫れや痛みが生じ、治療は停まった血を取り除くようにし、気血が流れると元に戻る)と述べられています。
例えば転倒により腰やお尻を傷つけると、腰やお尻には膀胱経と言う経絡があるので、その経絡に沿って痛みが打撲した部位のみならず、太ももの裏やふくらはぎにまで痛みが現れることがあります。


また《傷科真伝秘杪》と言う古医書では、“若為傷科而不知此十二経脈之系統、則雖有良薬安能見效、而用薬、用手法、亦非遵循於此不可也”(もし外傷で十二経脈の流れを知っていないと、良薬に良い効果があっても、薬や鍼を用いる時に経絡の流れを無視すると効果は得られない)と述べ、経絡を重視することが書かれています。鍼灸の施術においては、打撲による痛みがどの経絡に現れているかを確かめ、その経絡に関係するツボに鍼・灸を行っていきます。

以上のように打撲による痛みや腫れは気血や経絡と非常に関係があるので、鍼灸の施術では打撲により傷ついた経絡や打撲部位の気血の流れを良くするようにしていきます。

痛みに対する考え方はこちらを参考にしてみて下さい。

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