痛み 〜東洋医学的な考え〜

年明けから寒波の影響で、寒い日が続きますね。この寒さで思い出すのが、大学時代です。通っていた鍼灸大学が京都の山奥に位置していたので、この時期には大概雪が積もり、かなり寒かったのが思いだされます。

今回は痛みに対して東洋医学はどのように考えているかを書いていきます。


痛みは、本来身体が持っている警告反応としての役割があります。施術に際しては、疾病・障害の部位・程度・原因を知るための指標となります。東洋医学では、痛みに対する治療の歴史が長く、多くの経験があり、また東洋医学の理論によって、痛みの原因・性質・程度・部位などを総合的に分析・判断して治療を行うことが特徴的です。

痛み

理論

痛みに対しての理論は多くあるのですが、臨床でよく使う理論を見ていきましょう。

「不通則痛・通則不痛」

この理論は、<素問・挙痛論>に記載されています。「通じざれば則ち痛み、通ずれば則ち痛まず」です。例えば何らかの原因で血液の流れが悪くなると、血の塊が出来てしまい、それによって痛みが出現します。血液の流れが良くなれば、血の塊も解消されて痛みも解消されます。また気が流れると血もよく流れ、それとは逆に気の流れが悪くなれば、血の流れも悪くなり痛みが出てしまいます。

「不栄則痛」

この理論は、邪気の侵入や臓腑機能の低下などが原因で、気血が損なわれてしまい、気血が損なわれてしまうと臓腑や経絡を養うことができなくなり、臓腑や経絡が弱った状態となり痛みが出現するということです。例えば女性の月経過多、もしくは出産時の出血過多により血が損なわれて、頭痛・腰痛・腹痛などの痛みが現れる場合です。

「諸痛属心」

ここでの心(東洋医学で言う心)は、現代医学における心臓、また中枢神経系・自律神経経に関わっている器官のことで、現代医学における脳に関連があると考えています。この心の働きが乱れると気が乱れ、気血の流れや臓腑の働きまでも乱れてしまいます。それによって痛みが現れる・誘発される・増悪すると言った流れとなります。例えるなら精神的ストレスがあると腹痛、脇痛などが現れます、つまり心因性疼痛と言い換えてることができます。

原因

痛みの原因には気滞・血瘀・寒湿・湿熱などがあり、痛みの性質は寒・熱・虚・実に分けられます。ここでは臨床でよく見かける痛みを述べていきます。

1,気機阻滞による痛み

気が流れれば血も流れ、気の流れが悪くなると血の流れも悪くなり痛みが現れます。気の流れや調節には肺・肝・脾と深い関係があるので、三つの臓器に病気があれば、気の流れが悪くなり痛みとして現れます。

2,瘀血阻絡による痛み

瘀血は血の流れが悪くなってできる血の塊と考えてもらうと分かりやすいと思います。瘀血が作られる原因には、気の流れの悪さ・寒・熱・湿・痰などがあります。瘀血による痛みは、刺す様な痛みがあるのが特徴です。

3,寒邪凝滞による痛み

寒邪の性質には凝滞・収斂があり、体に侵入すると気血の流れを阻むため、瘀血の状態を招き痛みを引き起こします。寒邪は特に冬季に多いのですが、他の季節においても気温が下がると発病因子となります。寒邪による痛みは、ひきつる様な痛みが特徴です。

4,打撲・捻挫・外傷による痛み

打撲・捻挫・外傷は、瘀血の病態を作ることにより局所の疼痛・腫脹・活動制限などの症状がみられます。これらの痛みがある場合、一度の施術で腫脹・疼痛が半減することをよく経験します。

5,心因性の痛み

東洋医学では人の精神活動や感情の変化が臓腑・経絡の気血運行に影響し、逆に臓腑の気血運行に異常があると精神活動や感情に変化を与えると考えています。痛みがある人の多くには不安感があり、精神面の弱さが見られ、感情の変化や精神的なストレスによって痛みが増悪することもあります。例えば慢性腰痛は、ストレスが原因であると言われています。また肩こり酷くて痛みを感じる場合、精神安定剤を服用すれば症状が改善されるケースもあります。


当院では、おおまかにですが以上のようなパターンに分けてから、痛みの施術を行います。痛みがあると日常生活の質も下がるので、出来る限り早く痛みを取り除くことを心がけております。