暑い日が続きますね。
件数は多くはないのですが、産後に現れる諸症状について問い合わせがあります。そこで今回は「産後ケア」について書いていきます。みなさんは、産後の骨盤の歪みについて気にしているようですが、あまり気にしなくていいですし、産後でなくても骨盤は滅多なことでは歪みません。
気血を重視
まず妊娠中から出産にかけて、お母さんの気血(東洋医学で言う気・血)は赤ちゃんのために消耗します。妊娠そのものは病気ではありませんが、赤ちゃんへ栄養(気血)を送ることを優先しています。そのために消耗した気血の回復が産後ケアの第一目標となります。
気血とは?
気とは食物や大気から取り込まれ、身体に必要なエネルギー源として身体を巡っています。この気は天気、大気のように自然界からの気という概念からでており、目に見えることはありません。
血とは血液および血液によってもたらされる栄養分のことです。血は気とは逆に目に見えるものを指しています。
この気と血がバランスを取りながら身体の中を巡っている状態が健康な状態と考え、反対に気と血の巡りが悪く、バランスが崩れている状態を病的な状態と考えます。病気や病気まででは無い体調の悪さは、気と血のバランスが崩れていると考えるので、バランスの調節をすることが病気や体調不良の改善につながります。
気血から見た産後ケア
①産後の過労
産後の回復が不十分な状態では、気血の回復を非常に遅らせてしまいます。
次の妊娠や更年期にまで影響を与える事があるので、気をつけないといけません。特に、肝と脾の働きを鈍らせてしまうようなことは、避けなければなりません。つまり、肉体的な疲労や、精神的な疲労や目の使いすぎがないよう気をつけましょう。妊娠・出産で気血の消耗が激しかった場合は、記憶力の低下も起こる場合もあるます。
②産後の休息
産後の休息は、早期の気血回復のために重要です。
出産の疲労を引きずっていたり、元気で落ち着きのない状態だったりするときは、十分な休息が取れるようにしましょう。元気で落ち着きのない状態というのは、気のコントロールがうまくとれずにいる状態です。
あとでガックリとする可能性があるので元気そうに見えても、ため息をついていることがあれば気をつけて下さい。
③産後の冷え
産後は気血を消耗している状態なので冷えやすい状態でもあるので、着るものや部屋の温度・湿度には十分に配慮しましょう。
特に、産後まもなく冷えを受けてしまうと、悪露を滞らせて痛みを引き起こし、後々まで月経痛の原因となります。家事で冷たい水を使わないようにし、夏でもソックスやレッグウォーマーを着用して、身体を冷やさないように気を付けて下さい。
④産後の気血が不安定
産後は気血の状態が不安定で、その影響で精神状態も安定しにくいものです。
産後まもない時には、特にその傾向が強く出やすいです。わずかな不安やストレスで精神的に不安定になり、また精神的に不安定であるために気血や臓腑の働きを失調させやすくなります。また、授乳のために胸部に気がとどこおりやすくなりますので、不要なストレスや不安のないようにしましょう。
⑤産後の気血を充実
気血の充実に食事が果たす役割は大きいものです。
妊娠・出産と気血を消耗したあとは、脾胃の働きも弱っていますので、脾胃に負担をかけない食事を心がけましょう。特に、血の消耗につながる辛いものや味の濃いもの、脾胃に負担をかける脂っこいものや生もの、冷たいものは控えて下さい。
以上のように産後は気血の状態が不安定になっており、その影響は五臓六腑にまで及びます。鍼灸では不安定な気血のバランスを取りながら、五臓六腑にまで及んだ影響を取り除いていきます。
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