不妊鍼灸を受けている患者さんの多くが基礎体温が二相性になっていないものが、二相性に変化するもなかなか妊娠に繋がらない、所謂「着床障害」になっている場合があります。そのような時には、改めて気血理論から不妊を考えて不妊鍼灸の施術を行うと妊娠する確率が上がってきます。
気血
東洋医学の考えでは女性は血を本とし、血を以て用とすると考えます。これは女性の身体が血をもとにしている意味です。例えば女性には月経や出産がありますが、それらの身体の変化や不調には血が深く関わっています。
また気と血は深い関係性があり、「気為血之帥」(気が身体をめぐると血もめぐる)、「血為気之母」(血が母親のように気を養う)と言われ、互いに依存している関係があります。このことから、血が病むと気にまで、気が病むと血にまで影響が及びます。
古典医籍では気血に関する論述が多くあります、例えば、
《霊枢》:「人之血気精神者、所以奉生而周于性命者也。」
《婦科玉尺》:「蓋人身気血、本属相須、血者気之化、気者血之母、非気無以生血、非血無以養気。
《血証論》:「気為血之帥、血随之而運行、血為気之守、気得之而静謐。」
《難経》:「気主煦之、血主濡之。」
《素問》:「血気不和、百病乃変化而生。」
《丹渓治法心要》:「気血衝和、万病不生、一有怫鬱、諸病生焉。」
以上のように気血に関する論述が多く残されています。
不妊鍼灸の患者さんには瘀血(血の流れが悪い)による不妊が多く見られますが、そのことにも古典医籍では言及しており、《血証論》では「凡治血者、必先以去瘀為要。」と述べています。
女性の生理特徴
東洋医学から見た女性は、気が余っており、血が不足している状態です。また男性と違い女性の生理特徴として「経・帯・孕・産・乳」があります。これは毎月の生理、おりもの、妊娠、出産、哺乳をすることを表現しています。この「経・帯・孕・産・乳」も血を以て用としており、血が不足、気が余りやすくなります。気が余りすぎると、身体の中で火が生じると考えます。具体的には生理前に現れる症状としてイライラしやすい・吹き出物ができやすい・便秘(生理が始まると緩くなる)・寝付きが悪いなどです。
鍼灸施術ではこの気血からの視点も重要となってきます。なかなか着床しない場合には、瘀血の場合と気滞(気の流れが悪い)の場合が多く見られます。いずれにせよ気血は互いに依存しあっている関係であるので、気血のバランスを取るようにすれば着床の確率が高まり、妊娠へと繋がっていきます。
「不妊鍼灸」の症例も参考にしてみて下さい。
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