腰酸腹脹不孕
婦人有腰酸背楚、胸満腹脹、倦怠欲臥、百計求嗣不能如愿。人以為腰腎之虚也、誰知是任督之困乎。夫任脈行於前、督脈行於後、然皆従帯脈之上下而行也。故任脈虚、則帯脈墜於前、督脈虚、則帯脈墜於後。雖胞胎受精、亦必小産。況任虚之脈既虚、而疝瘕之症必起。疝瘕礙胞胎而外障、則胞胎縮於疝瘕之內、往往精施而不能受、雖餌以玉燕、亦何益哉。治法必須先去其疝瘕之病、而補其任督之脈、則提攣天地、把握陰陽、呼吸精気、包裹成形、力足以勝任而無虞矣。外無所障、內有所容、安有不能生育之理。方用升帯湯。
意訳
婦人に腰のだるさや痛み、胸に圧迫感と腹部に張り、倦怠感のために横になりたい症状があり、不妊のために様々なことを試すが妊娠することができない。人々は腰腎の虚としているが、任督の困であることを知らない。任脈は身体の前正中線、督脈は身体の後正中線をめぐり、それらは帯脈(身体を一周している経絡)の上下をめぐっている。そのために任脈が弱ると帯脈は前に落ち、督脈が弱ると帯脈は後ろに落ちてしまう。たとえ妊娠しても流産をしてしまう。そのうえ任督の脈が弱っていると疝瘕(ここでは子宮筋腫と考えます)が必ず起きる。疝瘕があると不妊の原因となってしまう。治療は先に疝瘕を取り除く、そして弱っている任督の脈を補えば、上下が統一、陰陽の変化がコントロールされて妊娠することができる。薬は升帯湯を用いる。
解釈
ここでは腰のだるさや痛み、胸の圧迫感や腹部の張り、倦怠感のために横になりたい症状があると、腰腎の虚と考えがちであるが、そうではなく任・督脈の弱りであると述べています。また任・督脈が弱ると疝瘕ができ、それが原因で不妊となってしまうとも述べています。疝瘕ができる原因は任督脈の弱りだけでなく、瘀血などでもできてしまうので、一概に任督脈だけが原因とは限りません。ここで重要なことは疝瘕が不妊の原因であることです。疝瘕を子宮筋腫と考えると、子宮筋腫の大きさによっては手術で取り除いた方が良い場合があります。過去に不妊を主訴に来院された患者さんの問診で、生理痛がきつく、経血量が以前よりも増えているとの情報が得られ、婦人科の受診をすすめたところ、約8センチの子宮筋腫が見つかりました。腹腔鏡下手術により摘出し、その後無事妊娠、出産した症例もあります。
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