9月に入り、朝晩は少し涼しさを感じるようになりましたね。
最近、たまたま助産師さんと話す機会があり助産師の方から、「最近は産後うつが増えてきているのよね」との話を聞いたので、今回は「産後うつ」について書いていこうと思います。今までに「産後うつ」の施術を行っていくなかで、鍼灸と「産後うつ」は相性が良いのではと思うことは多々あります。
産後うつとは?
「産後うつ」とは、その名の通りに産後に現れます。分娩後の数週間、もしくは数カ月後まで続く極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が起きている状態のことを言います。
産後3日以内に悲しさや惨めさなどの感情はマタニティーブルーと呼ばれ、多くのお母さんが経験するものです。このような感情は2週間以内にはなくなるので、あまり心配することはありません。
「産後うつ」はマタニティーブルーよりも気分の変動が深刻で、症状は数週間から数ヶ月間続き、日常生活にも影響が出てきます。出産後女性の約10〜15%が経験しています。
◇ 主な症状
・気分の落ち込みがあり、意欲がわかない。
・人との付き合いが億劫になり、人と会うことを避けてしまう。
・自分の子供をかわいいと思えない。
・夫(あるいはパートナー)が協力的に思えず、イライラとしてしまう。
・外見や身だしなみを気にしなくなる。
・集中力が続かずに、すぐに疲れてします。
・日常生活をうまくこなせない。
・何をしても楽しいと感じられない。
◇ 産後うつを発症しやすい人の特徴
・真面目で責任感が人一倍強い。
・なんでも完ぺきにこなしたい。
・家族間でトラブルがある。
・助けを求められる人が少ない。
・マタニティーブルーを経験したことがある。
・過去に精神的な疾患にかかったことがある。
◇ 産後うつの対応
産後うつの症状で悩んでいる場合、一人で悩まずに家族や市町村の保健師、助産師、かかりつけ医等に相談することが大事です。また育児や家事の負担軽減、家族からの理解も必要となってきます。家族の支えが十分にあれば、ほかに治療が必要とすることがなくなることもあります。
東洋医学の考え方
東洋医学では古くから「産後うつ」に対して記載されている古医書が多くあります。例えば以下のものがあります。
《万氏婦人科》
“心主血、血去太過、心神恍惚、睡眠不安、言語失度、如見鬼神。俗医不知以為邪祟、誤人多矣。”
(心は血を主り、出血量が多いと心神が恍惚となり、睡眠が取れない、言うことがメチャクチャで、鬼神を見ているようである。俗医は邪祟のためであるとしているが誤りである。)
“産後虚弱、敗血停積、閉於心竅、神志不能明了、故多昏憒。又心気通於舌、心気閉則舌強不語也。”
(産後は虚弱で、敗血がたまり心竅を閉じてしまい、神志がハッキリしない。そのために正常な判断ができない。また心気は舌に通じており心気が閉じると舌が強張り、話すことができない。)
《証治准縄》
“産後心神恍惚、言事失度、睡眠不安”
(産後に心神恍惚、言うことがメチャクチャで、睡眠が取れない、)
産後の特徴としては出産により身体が弱り、気血の消耗が大きくなっています。五臓六腑の中では特に肝、心、脾との関係が深く、また血の流れが悪くなっていると考えます。
◇ 心脾両虚
産後にイライラ、焦りがあり、気分が憂うつ、あまり寝られず、夢が多い、物忘れが多い、食欲はあまりなく、お腹が張りやすい。
◇ 瘀血内阻
産後抑うつ、ずっと静かにしていて話さない、寝られない、夢が多い。
◇ 肝気鬱結
抑うつがあり、不安感が強い、夜に眠ることができない、驚きやすい。
東洋医学では大まかにですが、以上のタイプに分けて「産後うつ」を診ていきます。やはり産後は血の消耗が激しいので、血を補うツボを多く使用していきます。
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