不妊症ー多嚢胞性卵巣症候群

不妊鍼灸で来院される方の多くが、婦人科での不妊治療と併用しています。そのなかでも最近は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断される方が増えてきています。そこで今回は多嚢胞性卵巣症候群について、東洋医学ではどのように考えて施術をしているのかを書いていきます。

多嚢胞性卵巣症候群とは?

多嚢胞性卵巣症候群は女性の20〜30人に1人の割合でみられる排卵障害で、卵胞が育つのに時間がかかりなかなか排卵しない疾患のことです。健康な状態だとひと月に1つずつ成熟する卵胞が、卵巣内にいくつもできてしまい排卵が起こりにくい状態です。

多嚢胞性卵巣症候群の原因としては、卵巣内の男性ホルモンが多いことが原因と考えられています。
自覚症状としては、
①月経周期が35日以上
②月経が以前に比べて不規則になる
③にきびが多くなる
④やや毛深い
⑤肥満

今治 不妊 玄鍼灸院

東洋医学から見た多嚢胞性卵巣症候群

東洋医学では女性の生理現象(月経・帯下・妊娠・出産)に関しては、腎(東洋医学で言うところの腎臓)が主導的に作用すると考えています。この腎が正常に働けば、女性の生理現象はスムーズに行われます。
多嚢胞性卵巣症候群が起こる原因として、腎の弱りがあげられます。この腎の弱りにより卵胞が育つのに時間がかかり、スムーズに排卵することができないために不妊となると考えます。
「医学中参西録」という本の中では、“男女生育、皆頼腎気作強”と述べられています。つまり腎の充実が妊娠の必要条件となってきます。

また女性生殖器に関係する臓腑は腎以外にも肝・脾があります。この肝・脾の働きが弱くなると痰や瘀血という病理産物ができてしまいます。分かりやすくいうと水の流れが悪くなったものと血の流れが悪くなってできたものです。この痰や瘀血があると女性生殖器に行き渡る気や血を塞いでしまい、本来の働きができずに卵胞を成熟させて排卵させるという一連の流れを止めてしまうと考えます。

鍼灸の施術は?

多嚢胞性卵巣症候群に対する鍼灸の施術は主に弱っている腎の働きを高めることを主眼とします。また病理産物である痰や瘀血を取り除くようにもしていきます。
多嚢胞性卵巣症候群では、排卵がなされていないので基礎体温が一相性で高温期が見られません。腎の働きが高まり、痰や瘀血が取り除かれると排卵が起こり、基礎体温も二相性となってきます。二相性になると妊娠する条件が整ったと考えます。
腎の働きを高めて、痰や瘀血を取り除くには時間がかかることが多いので、当院では目安として半年の来院を提示しています。