連日暑い日が続きますね。
今年に入り、月に1〜2名の中・高校生が「起立性調節障害」の診断を受けてから、当院に来院するケースが増えてきています。そこで今回は「起立性調節障害」について書いていきます。
起立性調節障害とは?
起立性調節障害は、主に思春期によく見られる自律神経系の不調からくる身体の病気です。
起立性調節障害では、循環系の自律神経機能の調節が悪くなり、脳や全身に必要とされる血液が行き渡らないために立ちくらみやめまい、動悸、朝起きるのがつらい、倦怠感や頭痛、腹痛などの様々な症状が現れます。起床時に症状が強く見られ、学校に登校することができない生徒もいます。
よく見られる症状
身体症状
立ちくらみ・めまい・起立時の気分不良や失神・動悸・朝なかなか起きれない・頭痛・腹痛・全身倦怠感・乗り物酔いetc
その他の症状
無気力・思考力の低下・記憶力の低下・イライラしやすい・慢性的な疲労・寝つきが悪いetc
特徴的な日常生活でのエピソード
・朝起こしてもらっても記憶にない
・布団から出てもボッーとしている時間が長い
・午前と午後では反応が違う
・朝気分が悪く、朝食を食べられないetc
それぞれの症状は変動が見られ、比較的調子が良い時と悪い時があります。
日内変動
午前中に調子が悪く、午後になると徐々に回復する。夕方から就寝前には、活動的になる場合がある。
季節変動
春や秋などの季節の変わり目になると症状が悪化しやすく、また天候の変化なども影響する。
東洋医学からみた「起立性調節障害」
東洋医学的には「起立性調節障害」を、東洋医学で言う「眩暈」「頭暈」の一種と考えます。これらを引き起こす原因としては、肝陽上亢・腎精不足・気血不足・痰濁中阻・瘀血内阻などが挙げられます。なかでも気血不足と痰濁中阻との関係が深くあります。
・気血不足
めまいがあり、顔色が良くない、心労があると症状がひどくなる、疲れやすい、食事量が少ない、軟便。
・痰濁中阻
めまいがあり、頭が重い、吐き気がする、あまり食事を取りたくない、身体全体がだるい、眠気が強い。
また「起立性調節障害」は身体の発育速度と自律神経の成熟とのバランスが崩れた結果に起こる思春期特有の生理的な反応とも考えられ、五臓六腑の肝臓は自律神経との関係が深いので、肝臓の働きにも注意する必要があります。
肝臓の働きが悪くなると現れる症状として、
四肢に力が入りにくい・やる気が出ない・疲れやすい・イライラしやすい・気分の落ち込み・ため息をよくつく・食欲不振・食べるとすぐにお腹が張るetc
以上のことから「起立性調節障害」の鍼灸施術では、気血・痰濁・肝臓に対してアプローチを行います。気血流れをスムーズにし、痰濁が溜まらにようにし、肝臓の働きを伸びやかにすると「起立性調節障害」の症状が解消されていきます。症状改善には時間・回数がどうしてもかかってしまいます。なかには早期に改善すると思って来院される親御さんがいますが、数回の施術で改善することはありません。もし数回で治ることを希望するのであれば、当院では希望に沿うことが出来ないので、数回で治せる治療院があればそちらに通院してください。
「起立性調節障害」の症例も参考にしてみて下さい。
【つらい症状、解決します】
一人一人の症状にあわせた施術を行い、少ない施術回数で症状の改善を図っております。過去の臨床経験から内科・整形外科・婦人科・心療内科疾患などの疾患に対応します。
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