東洋医学と不妊
今回から不定期に不妊症のことを、シリーズ的に書いていければと思っています。
当院に不妊治療を希望として来られる大半の方が、病院などで不妊治療を受けられています。
そんな中で、「鍼灸は不妊にいいよ」と聞いて来院される方が多いようです。
五臓六腑という言葉を聞いたことがありますか?
五臓とは【肝・心・脾・肺・腎】、六腑とは【胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦】のことを言います。
東洋医学では、五臓六腑で身体全体を構成していると考えています。中心になるのは五臓です。五臓が、それぞれに役割をもって関連し合いながら生命活動をしています。
不妊や婦人科を考える時にも、単に生殖器系統だけを取り出して考えるのではなく、臓腑が身体を構成し支え、相互に関連していると言う考えが大切です。この点が、西洋医学的な不妊治療とは考えが異なる所です。
東洋医学では、子宮を「女子胞」「子所」「子宮」「胞宮」「子臓」などと称してきました。
このblogでは胞宮を用いて説明します。
胞宮は、<奇恒の腑>と言われています。<奇恒の腑>は五臓六腑とは違い、臓と腑の両方の機能を合わせ持ちます。
胞宮は、月経をめぐらし、胎児を宿し・育てる機能を有します。
胞宮と五臓
肝と胞宮
肝は血を蔵し、疏泄(気・血の流れを調節)を主り、血海を制御すると言われています。つまり、全身の気血の流れを調節することにより胞宮の生理機能に大きな影響を与えます。
心と胞宮
素問と言う本に、「胞脈は心に属して胞中に絡す」とあります。このことから胞宮との関係があります。また、心は血を全身に送り出したり、情緒や感情といったこころとも関係が深い臓です。
脾と胞宮
脾は六腑の胃とあわせて脾胃と表現することが多く、胃腸の機能をあらわしています。私達が日々食べている飲食物を消化吸収し、しっかりとエネルギーとして受け入れ、身体全体に送ります。またそれをしっかりと蓄える倉庫のようなものです。脾胃がしっかり働くことにより、飲食物から気・血が作られ胞宮の生理機能も正常に保つことが出来ます。
肺と胞宮
肺は身体の気を主り、水分代謝を調節します。また肺は、呼吸により外界と内界をつなぐ役目もあります。つまり外界に対して防衛力の役割です。身体内部の働きとしては、気・血・精などは肺気により運ばれます。胞宮に必要な物質は、肺の働きにより運ばれ、調節されます。
腎と胞宮
腎は先天の本(親から受け継いだ生命力)とも言われ、それと同時に元気の根(元気の大本)です。腎は精を蔵し、人体の成長・発育・生殖を主ります。つまり腎は生命力の土台ですね。先程述べた素問と言う本には、「胞絡は、腎に繋る」と書かれており、子宮と直接繋がります。
上述したように五臓と胞宮は直接・間接的に繋がりがあります。
要約すると、日々の飲食物が脾胃の働きにより、気・血が作らます。気・血が肺や心の働きにより全身に運ばれます。運ばれる気・血は肝により管理され、胞宮に届けられ、正常の働きが出来るのです。その胞宮を下から支えているのが腎です
このように多くの臓が全体として調和のある働きをしていることが、順調な生理につながったり、妊娠の出来る身体のありようにもなるのです。
不妊症の症例はこちらです。
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