このところ来院されている年配の患者さんから、「中々寝付けない」「夜中にに目が覚めると、それから眠れない」等の訴えを聞きます。
そこで今回は不眠について書いていきます。
不眠症とは?
不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気のことです。不眠は成人の約20%にみられ、その割合は年齢が上がるにつれて高くなってきます。
データによると男性は50歳前後から、女性は65歳から朝型になっていく傾向があります。つまり、加齢に伴って必要な睡眠時間は徐々に短くなってきます。
不眠症は睡眠時間の長さではなく、目覚めた時にだるさや、眠気があり、日常生活を行っていく上で支障をきたしてしまう程度によって判断されます。睡眠時間がたとえ長くても起きた時の状態がまだ眠かったり、だるさがあるようだと不眠と考え、逆に睡眠時間が短くても目覚めが爽快であれば不眠ということにはなりません。つまり時間ではなく目覚めた時の不快感によって、判断されるということになります。
でも、理想の睡眠時間は?
睡眠時間は8時間位は必要と考えている人は多いのですが、実は昔から睡眠時間は平均すると6〜7時間だと考えられています。
もちろん、年代によって睡眠時間に違いはあります。10代前半は約8時間の睡眠時間が、年齢とともに短くなり、65歳では約6時間になります。65歳を超えてから睡眠時間が長くなると認知症のリスクが高くなるという報告もあります。
不眠を解消するには?
睡眠のリズムは「体内時計」によって作られているので、朝起きてから14〜16時間たつと、自然に休息の態勢に入り眠気がおそってきます。そのタイミングで寝床に入ると、スムーズに眠れるようになります。
また、朝は決まった時刻に起きることもコツとなります。朝の光を浴びることで、「体内時計」がリセットされます。正しい「体内時計」のリズムを得ることが大事なこととなります。
東洋学での考えは?
東洋医学の古典医学書である《黄帝内経》という本の中では、「不得眠」「不得臥」といった記述があります。昔から「不眠症」を病ととらえていたことが分かります。不眠症は失眠または不寝とも言って、心・肝の機能の変調や、陰と陽のアンバランスによって起きると考えています。心の臓による不眠は寝つきが悪く、寝ても夢見が多く、肝による不眠は眠りが浅く、よく目を覚ますと示されてます。(ここでの心・肝は東洋医学的なものです。)
また陽の気が盛んであると目覚め、陰の気が盛んであれば眠ると考えます。「陽>陰」なら不眠で、「陰<陽」なら嗜眠(放っておくと眠ってしまい、刺激に対する反応も鈍く中々目覚めない状態を指す。過眠症ともいいます。)
ですから、不眠を治療する場合は「陽>陰」の状態を「陽=陰」にするために、多くなっている陽を減らしたり、少ない陰を増やしたりして不眠証を改善していきます。
春は陽の気が動き始める時期で、陰陽のバランスが崩れやすい時期とも言え、今後不眠を訴える患者さんが増えてくると予想されます。
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