風邪

先月より日中の寒暖差が大きくなり、風邪を引いている患者さんが多くなっています。そこで今回は「風邪」について書いていきます。

風邪とは?

今治 風邪 玄鍼灸院

風邪は正式には風邪症候群と言います。初期の風邪症状には咽のイガイガ感や痛み、鼻の不快感など、その後にくしゃみ、鼻水、全身のだるさ、発熱が現れます。小児から高齢者まで、幅広い世代で見られる病気です。
風邪を引き起こす原因の約80〜90%はウイルスですが、特定の風邪ウイルスは存在しません。風邪を引き起こすウイルスの種類は200種類以上あると言われており、原因を特定することは困難です。そのために一度風邪が治ってもまた風邪を引くのは、一度感染したウイルスに免疫ができても、新たなウイルスに感染したために新たな風邪をひいたためです。

風邪とよく似た症状が現れるインフルエンザがあります。インフルエンザは38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感などの全身症状が急激に現れます。風邪のときよりも高熱になり、全身症状が強くでます、また肺炎を引き起こす場合もあります。

東洋医学からみた風邪

東洋医学の医書には古くから風邪の記載があります。
《素問・骨空論》:“風者百病之始也・・・風従外入、令人振寒汗出、頭痛、身重、悪寒
(風は百病のはじめ・・風は外から体に入り、震え、発汗、頭痛、体が重い、悪寒を引き起こす)
《金匱要略・腹満疝宿食病脈証治》:“夫中寒家、善欠、其人清涕出、発熱色和者、善嚔
(寒さに当たれば、あくび、鼻水がよく出、発熱してくしゃみが出る)
これらの記載は風邪症状によく似ています。

風邪、字のごとく風の邪。この風は六気(風・寒・暑・湿・燥・火)の気象現象の一つです。
東洋医学から風邪を考える場合、単独の風によるものもありますが多くは他の六気を伴っています。よく見られるのは風寒、風暑(熱)です。
いずれも東洋医学では皮毛(皮膚)、口、鼻から風邪が侵入し、風邪の症状を引き起こします。風邪の邪気が体外から体内に入ろうとする時に、防衛するのは五臓六腑の中の「肺」です。

肺は皮毛を主り、鼻に開竅する。
皮毛、皮は皮膚、毛は産毛のことで、皮毛には衛気と言う身体を外部から守る気が流れており、その衛気は肺によりコントロールされています。また肺の働きにより鼻の嗅覚や発声が行われ、またホコリや花粉などが鼻に入るとくしゃみによって外に出そうとします、これらの作用も肺によるもと考えています。
風邪が体内に入ろうとした時の要衝になるのが肺です。ですから肺に関連した症状がよく現れます。(初期の咽のイガイガ、鼻の不快感、くしゃみ、鼻水)

今治 風邪 玄鍼灸院
経絡入門 (白興華,付斐編著)より抜粋

主には肺の機能を高めることを主眼に鍼灸を行います。また風邪の侵入を許してしまう場合には、身体内部の弱りもあるので、その弱い部分も改善していきます。内と外の守りをしっかりと行えば、風邪にかかったとしても症状の改善を早期に行うことができます。

風邪の症例です。


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