症例 小児はり 2022年9月8日 by 玄鍼灸院 0歳 男性 夜泣き 【症状 来院の動機】来院の一週間程前から、昼間のぐずり・夜泣きが酷く、お母さんの睡眠がままならないので来院。 お父さんが当院に来院しており、お父さんから小児の夜泣きについて相談されており、<小児はり>は夜泣きや疳の虫に効果がありますよ、と伝えていたので、来院の運びとなった。 【経過 内容】来院の前夜も夜泣きが酷く、二時間毎に泣いていたとのこと。眉間の間に青筋、虎口三関の脈にも青筋がはっきりと出ており、夜泣きや昼間のぐずりの酷さが伺われる。施術としては、ローラー鍼を用いて、軽度の刺激を、腹・背中・手足(肘、膝から下)に加える。施術後の帰りの車中では寝ており、目が覚めてもぐずりがなかった。施術日から3日程は、夜泣きが1〜2回ほどあった。2診目は4日後、3診目は2診目から一週間後。3診目の来院時には、夜泣きはほとんどなく、昼間のぐずりはたまに酷い程度となる。3診目以降は、夜泣きや昼間のぐずりが酷くなれば、小児はりに来てもらうようにして、今回の夜泣き・昼間のぐずりは略治とした。 ローラー鍼 8歳 男性 風邪 【症状 来院の動機】体調が優れないと、いつもお婆ちゃんと来院。 今回は昨日から発熱(38℃)があり、来院前に小児科を受診し、「風邪」の診断を受ける。来院時の朝、昼の食欲は余り無く、いつもよりも口数が少ない、体温は37℃の後半。咳や鼻水は無く、口渇がある、通じはない。脈は弱、按じて略弦。舌は紅、無苔。 【経過 内容】小児の生理特徴として、「臓腑嬌嗽、形気未充、肺常不足、易受外邪侵襲」(臓腑が未熟で病気になりやすく、特に肺は未発達で外邪の侵入を受けやすい)であることから、肺経を中心として施術を行う。先ず中脘、関元穴に梅花鍼を用いて赤くなるまで叩き、肺経、督脈に沿ってローラー鍼を行う。施術後、脈が滑脈に変化する。帰宅後、お婆ちゃんの報告として、食欲が出てきて普段どおりの食事ができ、帰宅後すぐに排便があり、熱も平熱にもどったとのこと。 梅花鍼 9歳 男性 イライラ 【症状 来院の動機】コロナウイルスの影響で学校が休校中には、イライラを見せることは無かったが、学校が再開され帰宅すると常にイライラしており癇癪を起こすことがあるので来院。 帰宅するといつも怒りっぽく、イライラしている。宿題も途中で投げ出し、注意すると机を叩いて癇癪をおこす。話しかけても反抗ばかりする。睡眠・食欲は正常。脈は数略弦。舌は紅、無苔。 【経過 内容】脈と舌の状態から体内に熱がこもり、特に心と肝の熱の炎上により癇癪やイライラするものと判断した。施術は心と肝の熱を取るツボを選び、通常の鍼を使用する。施術時間は短時間(5分)で終了とする。1診目の施術後、鍼をする前と後では明らかにイライラや癇癪が減り、話しかけても落ち着い返事が返ってくるようになる。2診目以降は、同様の症状が出るようであれば、来院するように伝え終了とした。 4歳 女性 かんしゃく 【症状 来院の動機】当院に頭痛・肩こりで来院されているお母さの相談から小児はりを受けることになり来院。 このところ幼稚園から帰ってくると、かんしゃくを起こし大泣きすることが多く、感情の起伏が大きい。幼稚園でかんしゃくを起こすことはない。食欲、二便に異常はない。脈診では浮弦。 【経過 内容】お母さんの話では、幼稚園では自分の感情を抑えていることが多く、その分帰宅すると我儘になりやすいとのこと。感情を抑えていることから体内に火が生じ、心神を乱してかんしゃくを起こすと考える。施術はローラー鍼を用いて、体内に生じた火を下ろし・消すことを目的とする。施術終了後、眠そうな顔をする。2週間後に再診。1診目終了後から、かんしゃく・大泣きの回数が大幅に減る。前回同様の施術を行う。自宅でも出来る小児はりのやり方を教え、しばらく様子を見ることにして略治。