昨年末から三叉神経痛を主訴として数名の患者さんが来院されたので、今回は「三叉神経痛」について書いていきます。
三叉神経痛とは?
三叉神経は顔の感覚(痛・触・冷熱感)を感じて、それを脳に伝える役割のある神経です。その名の通り、こめかみの奥にある三叉神経節を起点として三つの枝に分かれています。おでこから上まぶたまで(第1枝領域)、下まぶたから頬・上唇・上の歯茎まで(第2枝領域)、下唇から下顎・下の歯茎・舌の半分まで(第3枝領域)の3つの領域の感覚をつかさっどています。
三叉神経の痛みは、特に理由もなく起こることがりますが、多くは顔・唇・歯茎などの特定の場所(トリガーポイント)に触れた時や、歯磨きや物を食べるなどの動作が引き金となって痛みがおこります。
三叉神経痛の特徴
・顔の片側に起こり、耐え難い痛みがある。
・食事、ひげ剃り、歯磨きなどの日常動作で痛みが起きることが多い。
・触れると痛みを誘発するポイントがある。
・痛む期間とまったく痛みがない期間がある。
・痛みは数秒から2分ほどで収まる。
痛みは第2枝、第3枝に現れやすく、男性よりも女性に多く見られます。
東洋医学からみた三叉神経痛
東洋医学では三叉神経痛を「面痛」と言います。明代の《証治准縄》という古医書では、「・・・頬車髪際皆痛不開口、言語飲食皆妨、在額与頬上常如糊、手触之則痛・・・」(頬、髪際が痛み口が開けれない、話すことや食べることが妨げられる、額と頬に糊が貼り付いているよう、手で触れると痛む)と記載されています。
顔には多くの経脈が通っておりそれらの経脈に何らかの異常があれば痛み出現すると考えます。古医書の霊枢に記載されている顔を通る経脈には以下のものがあります。
「胃足陽明之脈、起之鼻之交頞中、旁納太陽之脈、下循鼻外、入上歯中、還出挟口環脣、下交承漿、却循頤後下廉、出大迎、循頬車、上耳前、過客主人・・・」
「大腸手陽明之脈・・・従缺盆上頸貫頬、入下歯中、還出挟口、交人中、左之右、右之左、上挟鼻孔・・・」
「胆足少陽之脈・・・別鋭眦、下大迎、合於手少陽、抵於䪼、下加頬車・・・」
「肝足厥陰之脈・・・従目系下頬裏、環唇内・・・」
三叉神経痛は主に胃、大腸、胆、肝の経脈との関係が最も密接です。
東洋医学における原因
主に外因、内因に分けて考えます。
・外因
身体を守る衛気が弱ることにより風熱、風寒の邪が顔の経脈を襲い発症する。
・内因
ストレス、過食、年齢からくる陰陽のバランスが崩れる等から体内に熱が生じ、その熱が顔の経脈を障害して発症する。
当院では原因が外因、内因のどれか、またどの経脈が障害されているかを見極めてから施術を行っています。
【つらい症状、解決します】
一人一人の症状にあわせた施術を行い、少ない施術回数で症状の改善を図っております。過去の臨床経験から内科・整形外科・婦人科・心療内科疾患などの疾患に対応します。
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