気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、不安感に見舞われたり、集中力が続かないなどと、ストレスが多い現代社会においては、多くの方が「こころ」の病を抱えています。なかでも、うつ病、パニック障害が代表的なものとしてあげられます。
うつ病
単に気分の落ち込みなのか、もしくはうつ病であるかの判断は、具体的な数値ではっきりと示すことは難しく、症状の程度や質、生活への支障の出方などで判断します。
症状
症状は、身体症状と精神症状に分けられます。
【身体症状】
【精神症状】
東洋医学の考え
東洋医学のメンタルヘルスに対する認識は2000年以上前に書かれた「黄帝内経」の七情学説に始まります。七情とは、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚のことです。
この七情は外界の事物に対する情緒的反応のことで、常態と病態に分かれます。メンタルヘルスで問題になるのは病態の七情で、つまり情緒反応が長く続いている場合です。この状態が長く続くと、身体の調節限度を越えてしまい、感情変化をもたらし精神的疾病・心身疾病を引き起こすことになります。
発病の原因
うつ病の基本病機(病気の発生・発展・変化のメカニズム)は肝失疏泄、脾失健運、心失所養、臓腑陰陽気血失調です。主な病位(病気の位置)は肝にあり、そこから心・脾・腎に及びます。うつ病初期の病変は気滞(気の滞り)が主で、それに血瘀、化火、痰結、食滞等を伴い、多くは実証(病邪が旺盛)に属します。病の期間が長くなると実証から虚証(正気が不足)に変化します。
虚実の弁別
「虚」とは病気に対する力が低下して、身体に虚弱な反応が見られます。「実」とは身体が病気に対して力強く反応し、患部に強い痛みや腫れなどの充実した反応が見られます。
・虚証 病の期間が長く、精神不振、落ち着かない、不眠、悲しくて泣きたくなる。
・実証 病の期間は比較的短く、精神抑鬱、胸脇脹痛、喉の中がつまる、ため息が多い。
うつ病の分類
以上のような分類をもとに、メンタルヘルスに対して鍼灸の施術を行っております。当院に来院されるほとんどの方が、心療内科との併用をされています。メンタル鍼灸を受けられた方から、「身体がスッキリする」「頭が軽くなった」「よく眠れるようになった」「気持ちの切り替えができるようになった」等の感想を頂きます。
鍼灸論文を参考にすると施術間隔は一週間に一度の施術で、最低でも二ヶ月間の通院をおすすめしております。なかにはすぐに効果が出ると過度な期待をもって来院される方がいますが、そのような即効性はありません。ですので、即効性を期待されている場合には、他院の通院をおすすめします。
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