今回は臨床で使用頻度の高い「合谷」というツボについて書いていきます。
どこにあるの?
合谷は上の写真のように手にあるツボです。
合谷は親指と人差し指との骨が交わる所にあります。合谷は手の陽明大腸経(肺と大腸に関係する経絡)の原穴(陽明大腸経の気が最も多く集まるツボ)で、様々な症状に対して効くので、「万能のツボ」と言われています。
名前の由来は親指と人差し指が交りあっているところにあり、、形が山谷に似ていることからこの名前が付きました。《経穴解》という本に、「合谷在大指、次指岐骨間、言両骨相合如谷也、故名合谷」とあります。
効果
合谷には肩こり、眼精疲労、頭痛、頭が重い、全身の倦怠感、、不眠、歯の痛み、鼻づまり、花粉症、便秘、下痢などの症状によく使用し、効果を得ています。特に顔や頭部に症状があると時には必ずと言っていいほど使用します。
鍼灸歌賦の《玉龍歌》では「顔面縦有諸般症、一針合谷効如神」、また《四総穴歌》では「面口合谷収」とあり、古くから合谷は顔や頭部の症状に使われてきたことが分かります。
脳との関連
合谷には顔や頭部の症状に使用すると書きましたが、本当に効果があるの?と思うかもしれません。
実際に合谷を刺激するとリラックス時に多く発せられる脳波の1つであるα波が高まるという実験報告があります。またエンドルフィンというモルヒネ様物質が分泌され、脳が感じる痛みを緩和します。
脳との関連があることから、ストレスが溜まってイライラしたり、寝付きが悪い時などにも使用します。
風邪の症状にも
意外に思うかもしれませんが、風邪の症状、特に風邪のひきはじめによく使用します。合谷は陽明大腸経のツボですが、太陰肺経とも関連があります。この肺経は身体の外から入ってくる邪気(この場合、風の邪)に対して防御する経絡と考えていただくと分かりやすいかと思います。風の邪が肺経を犯して肺経の気が不足するので、合谷を刺激して肺経の気を増やすことにより、風の邪の侵入を防ぎます。それにより風邪の症状がひどくならずにすみます。
古医書である《針経摘英集》に「傷寒在表、発熱悪寒、頭項痛、腰脊強、無汗、尺寸脈倶浮」、「此穴能表発汗大妙」とあります。意訳すると、傷寒(風の邪)が身体の表面にあると発熱悪寒、頭痛、腰や背中が強張り、汗はかかない、この時に合谷を刺激すると発汗して傷寒が治る。
以上のように「合谷」は様々な症状に対して使用するので、「万能のツボ」と言われるのが分かるかと思います。
【つらい症状、解決します】
一人一人の症状にあわせた施術を行い、少ない施術回数で症状の改善を図っております。過去の臨床経験から内科・整形外科・婦人科・心療内科疾患などの疾患に対応します。
お気軽にお問い合わせください。
Tel:0898-34-4363