症例 圧迫骨折後 2022年9月13日 by 玄鍼灸院 70代 女性 【症状 来院の動機】 1年程前に圧迫骨折(Th12/L1)となり、一月ほど入院をしていた。その後10ヶ月ほど、コルセットを付けての生活(就寝時にも)を送っていた。その間、入院していた病院でリハビリを行っていたが、なかなか腰部の張りと重だるさが取れないので、当院に来院。しばらく座っていると腰部の張り・重だるさが出現する。仕事は農業であるが、収穫作業はまた骨折するのではないかと思い、出荷作業を主にしている。長いと朝から夕方過ぎまで、座っての作業が続く。圧迫骨折を起こした部位の両側に筋緊張・硬結、圧痛が見られる。座位から立位になる時、スムーズに動かせない。既往歴として、骨粗鬆症、高血圧。舌は淡紅、脈はやや弦。 【経過 内容】腰部の張り・重だるさは、圧迫骨折後、長い期間コルセットで固定していたことによる筋脈失養と考え、筋を養う穴、年齢や骨粗鬆症があることから腎を補う穴を中心に鍼・灸を施す。施術後、本人的には症状の改善を自覚しないが、家族からは腰部の症状を訴える回数が減っているとの指摘を受ける。週に一度の施術を継続するうちに、本人も症状が減っていることを自覚するようになる。 70代 男性 【症状 来院の動機】 知人の紹介から来院。来院の4ヶ月前に圧迫骨折により2ヶ月近く入院をしていた。圧迫骨折は第1、第2腰椎の2箇所。 退院後、自宅療養をしていたが、10分程座っていると腰部に痛みが出現し座っておれず、ベットに横になってしまう。入院期間中に体重が7キロほど減り、退院後も食事をする時に座っていられないので、食事量が減り、1〜2キロほど体重が減る。それに伴い筋肉も落ちる。 腰部の痛みは全体的にあるが、やや右側の方が痛みがきつい。立ったり座ったりする時には痛みを感じない。腰部全体が板状に固くなっており、第12胸椎・第1腰椎、第1腰椎・第2腰椎外方に圧痛があり、下肢に痺れはない。脈弦、舌紅、無苔。 【経過 内容】入院期間が2ヶ月近くもあり、また筋肉の衰えが見られることからサルコペニアを想定し、まずは痛みを出現させないようにする。骨は腎が主る所であるので、補腎、また痛みはだる痛いとのことなので血虚による痛みと判断し養血理気の穴に鍼を行う。1診目から2日後の来院でのコメントとして「鍼をした後、30分程は座っていられ、また様子を見に来た親族と外でしばらく立ち話をしていた」。4診目までは3日おきに来院し、痛みはほとんど感じていないとのこと。4診目以降は、膝や肩に痛みがある時に来院しており、それとあわせてデイサービスに通い、筋肉をつけるようにしている。