症例 不妊症 2024年5月25日 by 玄鍼灸院 30代 女性 【症状 来院の動機】以前から首から肩甲骨にかけてコリが強く現れると来院されていた患者さん。7年前に結婚をされており、性生活では特に避妊をしていなかった。年齢的にも30代後半に差し掛かり、子供を強く希望するようになる。近所の婦人科にて一通りの検査を受けるが、特に異常は見られない。いつものようにコリが強い時に来院された時、不妊症の相談を受け、不妊症に対する周期療法を開始する。 元々痩せ気味、普段から疲れやすい、手足が冷えやすい、生理周期は30日前後で、経血の色は歳を重ねるごとに薄くなってきている気がする、生理痛はない、生理前には気分の落ち込みが見られる。脈は弱略滑、舌は淡白、剥離苔。 【経過 内容】元々脾虚傾向であることから、気血の生成がうまくいっておらず、妊娠に必要な量の気血が子宮に届いていないものと考え、先ずは脾虚の状態を改善することを優先し、合わせて周期ごとのツボを選択する。鍼灸での不妊施術を開始してから、徐々に冷えや疲れやすさがなくなる。施術を開始してから6回目の生理予定日を過ぎても生理が来なかったので、婦人科を受診すると妊娠していることが分かる。その後は、悪阻が酷い時や、疲れが溜まった時に来院をされ、無事に出産をされる。 30代 女性 【症状 来院の動機】主訴は、現在婦人科にて不妊治療をおこなっており、鍼灸も不妊治療に効果があると聞いて来院。婦人科での検査では特に異常は見られず、タイミング療法を行っている。結婚は3年前。10年以上前から肩こりがあり、仕事のストレスも多くなってきている。年々生理痛がきつくなってきている、また生理期間も長くなっている。生理周期は34〜38日。腹診では上腹部が脹、天枢穴に圧痛、関元穴を中心として虚の反応が見られる。脈診は滑弦。舌診では紅、無苔、胖大、歯痕。普段から力が入りやすく、ハッキリとした性格。以上のことから、肝の疏泄が悪くなり瘀血が生じ、また肝腎同源から腎にも影響を及ぼしているものと考えた。 【経過 内容】先ずは瘀血を念頭に、あわせて周期療法も行っていく。施術ペースとしては1週間に1度とした。 初診からはじめての生理時には、生理痛が緩和する。3診目には気がつくと身体の疲労をあまり感じなくなってきているとのこと。5診目には、生理痛が以前と同じくらいあった。9診目終了後の婦人科での診察で、妊娠が確認される。妊娠後は悪阻がひどい時に来院される。その後、無事に出産されたとの報告を受ける。 30代 女性 【症状 来院の動機】二年前から婦人科にて不妊治療を行なっている。当院来院の4ヶ月前には子宮筋腫の摘出手術を受ける。当院には鍼灸が不妊治療に効果があると聞き、HPを見て来院する。 婦人科において、過去2回の人工授精を受ける。もともと生理不順で、生理周期は30〜35日、生理痛が酷く、我慢できない時にはロキソニンを服用する。生理前に胸の張り、便秘がある。基礎体温表を見ると二相に分かれてはいるが、高温期が短い。脈は弱いが按じると弦脈、舌は紅、歯痕、無苔。 【経過 内容】以上のことから、子宮筋腫は瘀血によるものと中医学では考え、もともと気血の流れが悪くなっていたものと推測する。また高温期が短いことから、土台である陰が弱いと考えた。施術は周期療法をベースに、活血理気、補腎を行う。3回目の来院時には以前よりも子宮内膜が厚くなっているとのこと。6回目の来院時には、ずっと高温期が続いており、3日後に婦人科を受診する予定。3日後の婦人科にて「妊娠」が確認される。(初診日から2月程) 30代 女性 【症状 来院の動機】第二子の妊娠を希望して来院。第一子を出産するまでに体外受精、人工授精を行うが妊娠できず、顕微授精を行い妊娠・出産に至る。顕微授精の際の受精卵が1つ凍結保存されているので、それを移植する予定である。来院は移植予定日の1月前に来院。 第一子出産までに数年掛かっており、流産経験が一度ある。生理痛が酷く市販薬を服用し、経血に血の塊が多く混じる。基礎体温では高温期が中々高くならない。ため息が多く、移植に関して失敗するのではないかと考えてしまう。腹診で大巨に圧痛、小腹に緊張が見られ、脈は弱、舌は淡紅、薄白苔、舌尖に紅点。 【経過 内容】第一子出産までに数年かかり、また生理痛が酷いことからベースに腎虚があり、それに肝鬱により血の流れが悪くなったものと考える。施術は補腎、活血、疏肝に周期療法を合わせて行う。初診日が生理予定日の2日前、一週間後の2診目のコメントとして「いつになく生理痛が軽かった」とのこと。3診目は2診目から一週間後で、3診目から4日後に移植予定。5診目は3診目から2週間後で、妊娠のことが気になり市販の妊娠検査薬を使用すると陽性となる。その後、病院でも妊娠が確認される。 30代 女性 【症状 来院の動機】HPを見て来院する。当院に来院する5ヶ月前から病院で不妊治療を開始する。病院ではホルモン値が低く、多嚢胞性卵巣症候群の可能性を指摘されており基礎体温がなかなか二相性とはならない。基礎体温を拝見すると、低温期の体温が35℃代である。生理周期は30〜33日周期。腰痛、腹部の冷えをよく感じ、下痢と便秘を繰り返す。脈は滑弱、舌は淡紅。 【経過 内容】以上のことから腎の働き、特に腎陽の働きが弱いものと判断する。施術は腎陽の働きを高めることを主眼とし、あわせて周期療法も取り入れて施術を行うこととする。施術は週に一度とする。3診目の問診で、2診後がちょうどタイミングの時期であったので、タイミングを合わせたところ、低温期から高温期の移行がスムーズにいき、今までで見られたことのない体温(37,7℃)となる。4診目の問診では、高温期が前回と同じく37℃代後半を維持できているとのこと。4診目の施術後、生理が来ないようなら婦人科を受診するように伝える。その後メールにて妊娠の報告を受ける。 30代 女性 【症状 来院の動機】以前より婦人科にて不妊治療を行っているが、なかなか妊娠に至らずに鍼灸が不妊症にも効果的だと知り、当院のHPを見て来院する。当院に来院する前まで採卵を行っても1〜2個しか取れず、取れる数は以前は3〜4個と徐々に減って来ており、また胚まで育たないことが増えてきている。基礎体温を拝見すると二相性にはなっていない、生理周期は一定しており生理痛はない。AMH:0.75ng/ml。当院に来院する2年前に結婚し、現在はアラフォーで焦りが見られる。頚背部緊張、手足の冷え。腹診では全体的に板状。脈は細弱。 【経過 内容】以上のことから年齢的なことも考慮し肝・腎の弱り、また不妊に対する焦りから気滞が生じているものと判断する。施術は先ず基礎体温が二相性になっていないことから、二相性になるようにするために周期療法を取り入れ、あわせて肝・腎、気滞に対しても施術を行うようにし、施術間隔は週に1度とする。3診目終了後から低温期から高温期にかけてスムーズに移行しするようになる。6診目での問診では採卵した卵子が胚まで成長しているので、明日移植する予定であるとのこと。8診目の時点で高温期が持続している。その後妊娠の報告があり、今回の不妊鍼灸を終了とした。 20代 女性 【症状 来院の動機】不妊治療は2年前から開始し、松山市の産婦人科にてタイミング療法、人工授精を2回ほど行うが妊娠に至っていない。当院にはHPを見て来院する。 基礎体温表を見ると高温期が短く、生理時に腰痛があり、生理前の通じは最初硬くて後で柔らかくなる。また生理時の血塊は多く、生理期間は1週間ほど。手足に冷えがあり、通じは便秘気味、痩せ形。腹診では腹部全体が硬くなっている、脈は寸弱、関尺略弦、舌は歯根が見られ、色淡紅、苔剥離。 【経過 内容】以上のことから脾腎陽虚に瘀血を伴うものと判断し、施術は温中、補腎、活血を主に、周期療法を取り入れて周期毎に施術を行うことにする。4診目の施術時に生理中の腰痛が楽になっているとのコメントを頂く。5診目には低温時から高温期にかけての移行が今までに無いぐらいスムーズ、高温期も36℃後半を維持している。8診目以降、仕事が多忙で来院せず。前回の来院後に妊娠が発覚し、無事出産を終えたことの報告を頂く。 20代 女性 【症状 来院の動機】第二子を希望し、当院のHPを見て来院する。来院する前に第一子出産後から2度流産する。生理周期は28〜40日と一定せず、生理期間は大体1週間。生理痛、排卵痛はなく、基礎体温は二相性になっている。婦人科での不妊治療は行っていない。腹診にて下腹部の軟弱、脈診では滑弱。足先の冷えが強い。時々片頭痛が起こる。 【経過 内容】第一子出産後に2度流産、下腹部の軟弱から腎の作用である保胎機能が働いていないと判断し、腎の機能を高めるツボを選択し施術を行うようにする。施術期間は週に1度とする。施術3回目以降、来院が途切れるが、半年ぶりに逆子の施術で来院する。施術3回目以降に妊娠が分かり、安静に過ごしていたとのこと。