症例 足(膝・アキレス腱)の症状 2023年5月17日 by 玄鍼灸院 60代 女性 膝痛 【症状 来院の動機】半年前に右膝の痛みを覚え、整形外科を受診。その時、変形性膝関節症による痛みと診断され、膝に注射を打たれる。注射後、しばらくは痛みを感じなかったが徐々に痛みが出現する。整形外科での治療は、半年前の一度限りで、痛みを我慢していたが、当院が近所にできているのを知り、来院する。来院時の症状としては、膝を曲げる時に大腿内側から膝関節内側にかけての痛み。歩行時、階段昇降時には痛みを感じることはない。膝蓋跳動は陰性。大腿内側部を触診していると、硬結・圧痛部位が見ら、その部位を圧迫すると痛みが再現する。既往歴として糖尿病。 【経過 内容】以上のことから来院時の痛みは、変形性膝関節症により大腿内側(血海付近)に負担がかかりトリガーポイントが作られたものと考え、トリガーポイントと痛みがあると気・血の流れが悪くなっているので、それを改善することを目的に合谷・三陰交に鍼をする。施術後、膝を曲げた時の痛みが随分と減ったことに喜んでいただけた。 一週間後の来院時は、痛みはほとんど感じることはないが、膝関節内側に少しだけ違和感があるとのことなので、初診時と同様のツボを使って施術を行う。 2診目から3週間後に来院。2診目以降、痛み・違和感を感じることはなかったが、昨日、少し多く歩いたので膝内側に違和感を感じるので来院。3診目も1・2診目と同様の施術を行う。3診目以降は、不定期ではあるが、痛みの予防目的で来院中。 60代 男性 膝痛 【症状 来院の動機】一週間前から右膝に痛みを覚え、整形外科を受診するが、特に異常は見られず、湿布を貼って様子を見ましょうとのこと。湿布を貼っていたが痛みに変化がなく、友人が当院に来院しており、友人の紹介で来院。 痛みは膝の裏にあり、膝を曲げる時には痛みのために曲げるのが困難。仕事では、立ったりしゃがみ込むことが多い。普段、歩く時にはガニ股で歩く。右膝窩筋に圧痛、右腸脛靭帯・右腓腹筋に強い緊張がみられ、膝関節の屈曲制限がる。既往歴として、肺がん。現病歴は高血圧。 【経過 内容】痛みの原因として普段からガニ股で歩いていることから、膝関節での下腿の外旋が強いことが考えられ、また下腿を外旋した状態で膝関節を屈曲していると考えた。痛みがあると、気血の流れが悪くなるので気血の流れを良くする穴を選択、また圧痛部位、緊張している部位に鍼をする。1診目終了した時点で、痛みは来院前の半分となり、膝も曲げやすくなる。2診目は3日後で、同様の施術を行う。2診目で更に痛みが半分となる。2診目から一週間後に来院した時には、痛みは気にならず、膝の曲げ伸ばしも以前と変わらないとのこと。1診目にガニ股に気をつけるように指導したが、痛みがあるうちはガニ股に気をつけるが、痛みが無くなるとついついガニ股になるとのことなので、気がついたら直すように指導し、3診目をもって、膝の痛みの施術を終了とした。 70代 女性 膝痛 【症状 来院の動機】3日前から、台所でしばらく立っていたり、長く歩いていると右膝の内側に痛みを感じる。また太ももを外側に開こうとしても痛む。 昨年も膝の痛みで当院に数回来院していたので、今回も当院に来院する。 痛みは内側側副靱帯の部位にあり、膝関節の外反ストレステスト陽性、膝蓋跳動陰性。膝関節屈曲時に内側側副靱帯に痛み。大腿内側広筋に緊張と圧痛がみられる。 【経過 内容】以上のことから変形性膝関節症による痛みと考える。穴の選択としては、「不通則痛」の考えをもとに気血の流れをよくする穴、また年齢的なことや骨に異常が起きていることから補腎の穴を選択して施術を行う。1診目から2日後の来院では痛みは10→5となる。2診目から3日後の来院では痛みをほぼ感じることなくなっている。3診目をもって今回の施術を終了とした。 日課である1時間程のウォーキングは、性格が生真面目なために痛みがあっても行ってしまうので、痛みがある場合はお休みするように伝えた。 40代 女性 膝痛 【症状 来院の動機】3週間前に階段を降りている時に、左膝に痛みが生じる。整形外科を受診し、年齢によるものと言われ、2回程注射をおこなうが痛みに変化はなかった。その後整骨院に通院してたが、そこでも痛みに変化がなく、当院のHPを見て来院する。 来院時、膝の痛みのために脚を引きずって来院。痛みは膝蓋骨外下方にあり、押さえると痛む。痛みは立ち上がる時、階段を降りる時など体重がかかると痛む。膝に水は溜まっておらず、他動的に膝関節を動かすと痛みは生じない。膝の痛みのため歩き方がぎこちなくなるので、腰部に痛みがある。この腰痛は整骨院で坐骨神経痛と言われる。現病歴として高血圧。 【経過 内容】膝の痛みが体重がかかる時にあり、また体重が平均を大きく上回っていることから半月板の異常を考える。腰痛は膝の痛みのために、腰椎の前弯が増強し、腰部の筋肉に負担がかかったものと考えた。 施術は膝の圧痛部位、合谷、三陰交、腰部は筋緊張部位に鍼を行う。初回の施術終了後、膝の痛みがほぼ無くなり、脚を引きずらないで歩くことができる。3日後の来院では、膝の痛みはあまり気にならなくなり、腰部の痛みが気になるとのことで腰部を中心に施術を行う。施術効果を固めるために2診目から3日後に来院していただくと午前中に少し膝、腰ともに気になるとのこと。3診目をもって今回の施術を終了とした。 80代 男性 大腿部痛(変形性膝関節症) 【症状 来院の動機】数年前から両大腿部の痛みがあり、病院にて「変形性膝関節症」の診断を受ける。その後は、整骨院に通うがなかなか改善せず、病院への定期検診に向かう時に当院があるのに気づき来院する。 膝関節にはあまり痛みを感じておらず、膝上10cm辺りが痛いとのこと。大腿直筋、内側広筋部に筋肉の緊張が見られ、抑えると痛みを訴える。また、歩行時にも同部位に痛みがある。膝関節はO脚変形、膝蓋跳動は見られない。 既往歴として頚椎ヘルニア、膀胱がん。脈は弦略滑、舌は紅無苔。 【経過 内容】以上のことから、先ず大腿部の筋緊張を取ることを主し、あわせて年齢的なことも考え腎を補う穴を選択する。施術時には刺激量が多くならないように注意をした。施術後、歩行時に足が軽くなったことや痛みが随分と軽減したことを喜んでいた。以降は、定期的に来院している。 60代 男性 アキレス腱の痛み 【症状 来院の動機】退職後、アルバイトで慣れない立ち仕事を行っており、アルバイトを始めてから右足首(アキレス腱)に痛みが出現する。昔、鍼灸院に通院していたことがあり、鍼を受けてみようと思い来院する。 痛みはしばらく立って仕事をしていると出現する。仕事の時には前かがみで作業を行っている。アキレス腱(右)に少し熱感、圧痛があり、アキレス腱が左側に比べて肥厚している。痛みがあると歩行時に、足を引きずるようになる。 既往歴として肺気腫、高コレステロール血症。脈略滑、舌淡白、薄白苔。 【経過 内容】以上のことからアキレス腱炎と判断する。鍼は合谷、三陰交、アキレス腱部の圧痛部位に鍼を行う。初診終了時に院内を少し歩いてもらうと、足首周囲が軽くなったとのコメントを頂く。4日後の来院では仕事の時の痛みが10→4に減る。5日後の来院時には、仕事をしていても痛みを感じないとのことで、3診目を以て終了とした。 70代 女性 膝痛 【症状 来院の動機】 当院に来院されている患者さんからの紹介で来院。 半年前から右膝外側に痛みが出現する。痛みは特に立ち上がる時にあり、時々膝が鳴り、膝がカクンとして力が入らない時がある。また腰も抜けるような感覚がする。 膝を診ると両膝関節ともに内側の変形があり、右膝関節外側側副靭帯部に圧痛があり、右大腿筋膜張筋に張りがあり、右膝蓋跳動(+)、右膝関節を他動的に動かすとクリック音がある。また座位から立ち上がる時の動作を観察すると膝が内側に入ってから立ち上がろうとする。現病歴として高血圧。脈細弦。 【経過 内容】以上のことから加齢による変形性膝関節症の痛みと判断する。痛みを取るために右膝関節周囲の阿是穴、三陰交、合谷を主穴として鍼を行う。1診目終了後、座位から立位、歩行動作時に痛みは感じず、軽くなったとのコメントをいただく。2診目は一週間後、痛みをあまり感じなくなる。効果を固めるために3診目も一週間後に来院していただく。2診目から3診目にかけて、痛みを感じることもなく日常生活を送ることができている。3診目を以て施術を終了とする。 10代 男性 アキレス腱炎 【症状 来院の動機】当院に来院する1月前から右アキレス腱に痛みがあり、整形外科を受診し「アキレス腱炎」の診断を受ける。治りが遅く不安に感じて別の整形外科を受診するも、同様に「アキレス腱炎」の診断を受ける。患者は小学生で野球と陸上を行っており、受診した翌月には運動会があるので、それには参加したいので当院に来院する。来院時、踵を床や地面につけるとアキレス腱部に痛み出るので、踵を着けないようにつま先立ちで歩いて来院する。右アキレス腱部に圧痛、緊張が見られるが、発赤や熱感はない。【経過 内容】野球と陸上を行っていることから、成長期に過度の負荷がアキレス腱にかかりアキレス腱炎を発症したものと考えた。施術は小学生ではあるが、来院した翌月の運動会に間に合うように小児はりではなく、一般的な鍼を行う。鍼はほんの1〜2ミリほど刺入させ、アキレス腱の緊張と痛みを取るようにする。施術翌日から踵を床や地面に着けれるようになり、痛みも半分ほどになったとのこと。2診目は1診目から4日後で、来院時には踵を床に着けて歩けるようになり、以前と同じ様に走れるとのことなので、2診目を以て終了とした。