症例 首・肩・上肢の症状 2026年10月6日 by 玄鍼灸院 70代 女性 肩の痛み 【症状・来院の動機】 以前より体調管理のために来院されている患者さん。今回の主訴は、左肩を上に挙げるときの痛みで、着替えの際にも痛みを感じるとのことでした。 仕事では農業の手伝いをしており、最近は座った状態で野菜の泥を洗う作業を行っていました。その際、左上肢を伸ばした状態で前かがみになる姿勢が続いていました。 痛みは左肩関節の後面にあり、夜間痛や安静時痛はありませんでした。左肩甲骨に沿って筋肉の隆起と硬結がみられ、左三角筋後部にも圧痛がありました。脈は弦、舌は淡紅、苔は白膩苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 問診から、農作業時の姿勢によって菱形筋群や三角筋などに負担がかかり、肩関節を挙上する際の動きに影響していると考えました。 肩甲骨周囲や三角筋に圧痛や硬結がみられたため、負担のかかっている部位を整え、肩の動きをスムーズにすることを目的に施術を行いました。 圧痛部位を中心に、左膏肓、左神堂、左厥陰兪、左心兪、阿是穴、合谷、三陰交などに鍼を施しました。 【経過】 1診目終了時には、左上肢を挙げた際に上肢が耳までつくようになり、着替えも楽になりました。 2診目は1週間後。左上肢を挙げると少し痛みがある程度まで軽減していました。1診目終了後、職場の人たちに肩がスムーズに上がるようになったことを見せたところ、非常に驚かれたとのことでした。2診目も1診目と同様の施術を行い、今回の左肩の痛みに対する施術は2診目をもって終了としました。 50代 男性 五十肩 【症状・来院の動機】 年明けから肩の痛みと、肩を動かせる範囲の制限が出るようになりました。会社近くの整形外科を受診し、「五十肩」と診断されましたが、整形外科の閉院時間までに仕事が終わることが少なく、十分に施術を受けることができない状態でした。そこでホームページを見て来院されました。 来院時には、肩を前から上げる、横から上げる、後ろに手を回すなどの動作で、肩関節の前面に痛みがありました。また、夜間に肩が疼くことがあり、衣類の着脱にも時間がかかっていました。 脈は弱く、舌は淡い赤色で、苔は厚くみられました。 【東洋医学的な見立て・施術】 脈が弱いことなどから、東洋医学的には気・血の巡りが弱くなり、瘀血が生じている状態を考えました。そのため、気・血の巡りを整えながら、気・血を補うことを施術方針としました。 また、50代という年齢を考慮し、東洋医学でいう「腎」の働きも意識しながら施術を行いました。気・血を整えるツボや腎を補うツボなどを選び、週1回の施術を行いました。 【経過】 最初の5回は週1回の施術を行いました。施術を重ねるごとに肩の痛みが徐々に減少し、肩を動かせる範囲も少しずつ広がっていきました。 5回目以降は2週に1回の施術に間隔を変更。その後も肩の痛みと動きは徐々に改善していきました。 初診から10回目には、肩の状態が以前と変わらない程度まで戻ったため、10回目をもって施術を終了しました。 60代 女性 五十肩 【症状・来院の動機】 半年前から右肩に痛みがありました。定期的に通院している内科では「日にち薬」と言われ、特に治療を受けていませんでしたが、知人の紹介で来院されました。 仕事は介護職で、介助をするたびに右肩に痛みを感じていました。肩関節は痛みのために動かせる範囲が制限され、特に結帯動作(腕を身体の後ろに回す動作)が困難な状態でした。 痛みは肩関節の前面にあり、同部位と肩甲骨の外側、大円筋部に圧痛がみられました。就寝時の痛みはありませんでしたが、起床時には肩のこわばりを感じていました。脈はやや弦で、按じると弱く、舌は淡紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 東洋医学では「不通則痛(通じざれば則ち痛む)」という考え方があります。今回の肩の痛みに対しては、気・血の巡りを整えることを施術方針の一つとしました。 また、脈を按じると弱く、年齢も考慮して、東洋医学的には「腎」の働きの弱りも考えました。気・血の巡りを整える合谷、三陰交、腎を補うことを考えた太淵、復溜を主なツボとし、圧痛のある阿是穴を加えて施術を行いました。 【経過】 初診終了後、結帯動作をすると痛みは残っていましたが、腕を身体の後ろまで動かすことができるようになりました。 施術間隔をあまり空けず、週2回の施術を2週間行いました。5回目の施術を行った時点で、肩の痛みはほとんど感じなくなり、朝に感じていた肩のこわばりもなくなりました。 6回の施術をもって終了としました。 30代 男性 肩こり 【症状・来院の動機】 以前から鍼灸院に通院していましたが、通勤途中に当院があることから来院されました。仕事は接客業で、緊張する場面も多く、疲れてくると首から肩、背中にかけてコリを感じるとのことでした。 来院時には特に首の張りが強く、少し首を動かしにくい状態でした。肩甲骨の間や肩の部分には筋肉の硬結がみられ、押さえると気持ちが良いとのことでした。頭痛や手のしびれはありませんでしたが、疲れてくると眼の周囲にだるさを感じることがありました。 脈は弱略弦、舌は淡紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 首から肩、背中にかけての張りや筋肉の硬結がみられ、首の動かしにくさもあることから、頚腕症候群の状態を考えました。 東洋医学的には、コリがみられる状態では気・血の巡りが滞っていることも考え、気・血の流れを整えることを施術方針としました。全身の状態も確認しながら、気・血の巡りを整えるツボと、筋肉の硬結がみられる部位に鍼を施しました。 【経過】 施術後には首から肩、背中のコリ感が大きく軽減し、眼の周囲もスッキリして、視野が明るく感じられるとのことでした。 疲れが溜まってくるとコリを感じるため、その後は月に1~2回のペースで来院されています。 30代 女性 首の痛み 【症状・来院の動機】 以前から当院で生理痛の施術を受けており、生理痛はなくなったものの、定期的に通院されている患者さんです。 週に2~3回ジムに通っており、いつもと同じメニューを行っていましたが、運動中に少し首に違和感を感じていました。そのままメニューを終えて帰宅したところ、帰宅後から徐々に首の痛みが出現。翌日には痛みがさらに強くなり、首を動かすことが困難になりました。 来院時には、痛みのため首をあらゆる方向に動かすことが難しく、コップの水を飲むことにも苦労している状態でした。手のしびれや頭痛はなく、上肢の腱反射は正常でした。 首を触ると全体的に硬く、特に左側を押さえると強い痛みがありました。上肢に症状がみられないことから、運動中に首周囲の筋肉に負担がかかったものと考えました。脈は弦やや数、舌は淡紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 脈に弦脈がみられたことから、東洋医学的には気・血の巡りが滞っている状態を考え、気・血の流れを整えることを施術方針としました。 手や足のツボを選び、全身の気・血の巡りを整えるとともに、首の押さえて痛む部位には鍼を施しました。また、首の状態を確認しながら冷却も行いました。 【経過】 15分ほど経過したところで鍼を抜き、首を少し動かしてもらうと、痛みが軽減し、首を動かせる範囲も広がりました。 その後、座った状態で落枕穴、懸鐘穴に軽く刺激を加えながら首を動かしてもらうと、痛みと首を動かせる範囲が大きく改善しました。施術後の変化に、患者さんも非常に驚かれていました。 2日後に来院した際には、首はほぼ正常に動かせるようになっていましたが、少し痛みが残っていました。前回と同様の施術を行ったところ、痛みは気にならなくなり、今回をもって首の施術を終了としました。 50代 女性 首の痛み 【症状・来院の動機】 以前より通院されている患者さん。今回は、来院の2日前から首から背中にかけて痛みが出現したため来院されました。 痛みが出るきっかけとして、母親の介助で車に乗せる際に少し首に痛みを感じ、その後、徐々に痛みが強くなってきたとのことでした。 来院時には右頚部から右背部にかけて痛みがあり、頚部の右回旋、右側屈は痛みのために制限されていました。手指のしびれはなく、頚部の筋肉には緊張と右側の圧痛がみられました。脈はやや弦、舌は淡紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 頚部から背中にかけての痛みと、頚部を動かした際の可動域制限などから、頚椎椎間板症に関連する症状も考慮しながら、身体の状態を確認しました。 施術では、まず痛みを軽減することを目的とし、気・血の巡りを整える合谷、三陰交と、頚部から背部の圧痛部位に鍼を施しました。 【経過】 初診終了後、痛みは10から5程度に軽減し、頚部も動かしやすくなりました。 3日後に再度来院。同様の施術を行ったところ、痛みは10から2程度まで軽減しました。 その後は痛みが気にならなくなったため、2診目をもって施術を終了しました。約2か月後、腰痛で来院された際に頚部の状態を確認すると、2診目以降は首の痛みを全く感じていないとのことでした。 70代 男性 腱板損傷 【症状・来院の動機】 体力維持のため、水泳やテニスを行っている方です。テニスのサーブ時に左手でボールを上げた際、左肩関節の前面に痛みを感じるようになりました。テニスの後にも痛みがありましたが、しばらくすると治まるため、その後も水泳を続けていました。しかし、平泳ぎをすると痛みが強くなるようになりました。 近隣の整形外科を受診したところ「腱板損傷」と診断され、注射やリハビリを行いましたが、痛みに大きな変化がみられなかったため、当院へ来院されました。 来院時は、肩関節前面を押さえると痛みがあり、前方挙上や結滞動作(腰に手を回す動作)でも痛みがみられました。また、肩関節前面には軽度の熱感があり、就寝時の寝返りでも痛みを感じる状態でした。脈は数略弦、舌は淡紅、薄白苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 東洋医学的には、肩の局所的な損傷に伴って気・血の巡りが滞っている状態と考え、気血の流れを整えることを施術方針としました。また、年齢的な要素も考慮し、補腎を目的としたツボを組み合わせました。 肩関節前面の押さえて痛みのある部位には阿是穴を用い、全身の状態も確認しながら施術を行いました。 【経過】 初回の施術直後には、施術前に押さえると痛みがあった場所の痛みがみられなくなりました。肩関節の動作にはまだ痛みがありましたが、施術前と比べて動かせる範囲が広がりました。 その後、週1回のペースで施術を行いました。3回目には痛みがなくなり、肩関節の動きも以前と同じ状態になったため、3回目をもって施術を終了しました。 60代 男性 腱板損傷 【症状・来院の動機】 1年前にバイクで転倒し、左肩を強く打ちました。整形外科を受診し、レントゲン検査では異常がみられず、湿布を処方されました。しばらくすれば痛みも治まると思っていましたが、なかなか改善せず、その後、整骨院や整体にも通いました。一時的に楽になるものの、すぐに痛みが再発する状態が続いていました。 当院に来院している患者さんからの紹介で受診されました。来院時は、肩関節の屈曲・外転時に痛みがあり、上腕骨大結節部に圧痛がみられました。また、ペインフルアークが陽性で、就寝時には寝る姿勢によって肩関節が疼くことがありました。衣類の着脱にも時間がかかる状態でした。 既往歴として左膝半月板損傷、現病歴として糖尿病がありました。脈は紅、舌は滑、無苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 受傷機転や来院時の理学所見から、腱板損傷に関連する肩の痛みと考え、施術を開始しました。 東洋医学的には、痛みのある部位では気・血の巡りが滞っている状態を考え、肩の圧痛部位への施術に加えて、気血の流れを整えることを目的としたツボを選択しました。 【経過】 初回の施術後に肩関節を動かしてもらったところ、痛みが軽減し、可動範囲にもわずかな改善がみられました。受傷から1年が経過していたことから、改善までにはある程度の時間が必要になる可能性をお伝えし、週1回のペースで施術を行いました。週1回の施術を続け、7回目には肩の痛みと可動範囲が受傷前と同じ状態まで改善しました。そのため、7回目をもって今回の施術を終了しました。 50代 男性 頚椎症性神経根症 【症状・来院の動機】 X月の初め頃から、右上肢のだるさ、右手のしびれ、首を動かした際の右肩甲骨上部の痛みが出現しました。 腰痛のため整形外科に通院しており、今回の症状についても相談しましたが、湿布を処方されるのみでした。以前にも同じような症状があり、その際は3か月ほどで自然に治まった経験がありました。 来院時の理学所見では、右上腕二頭筋・腕橈骨筋反射の亢進、頸部を左側屈した際の右肩甲骨上角の痛み、握力の低下がみられ、箸をうまく持てないこともありました。現病歴として拡張型心筋症、肝硬変、既往歴として脳動脈瘤、腎盂腎炎がありました。脈は弦、舌は紅、無苔でした。 【東洋医学的な見立て・施術】 来院時の理学所見から頚椎症性神経根症が疑われたため、施術を始める前に、一度大きな医療機関で精査を受けるようお伝えしました。そのうえで施術を行うこととしました。 東洋医学的には、今回の症状を「痹証」の状態として捉え、その考え方に基づいて施術を行いました。 【経過】 2診目は初診から3日後。首から肩にかけての痛みはかなり軽減しましたが、右手のしびれにはまだ変化がみられませんでした。 3診目は2診目から4日後。2診目の後から右手のしびれが軽減していることを実感し、箸も以前よりうまく使えるようになりました。 4診目は3診目から6日後。この間に基幹病院でMRI検査を受けたところ、頚椎に狭小している箇所が2か所あることが確認されました。基幹病院の医師からは、このまま鍼灸施術を受けるようにとの説明がありました。 5診目は4診目から1週間後。首から肩にかけての痛み、右手のしびれともに軽減し、ほとんど感じない状態となりました。 6診目は5診目から1週間後。この1週間は痛みやしびれを感じることなく過ごせたため、6診目をもって施術を終了しました。 ▶ 鍼灸施術についてはこちら なかなか改善しない身体の不調、東洋医学から見直してみませんか? 体質や身体全体の状態をみながら一人ひとりに合わせて鍼灸施術を行っています。 ―Web予約は24時間受付しています―