傅青主女科⑨

便渋腹脹足浮腫不孕

婦人有小水艱渋、腹脹腳腫、不能受孕者。人以為小腸之熱也、誰知是膀胱之気不化乎。夫膀胱原與胞胎相近、膀胱病而胞胎亦病矣。然水湿之気必走膀胱、而膀胱不能自化、必得腎気相通、始能化水、以出陰器。倘膀胱無腎気之通、則膀胱之気化不行、水湿之気必且滲入胞胎之中、而成汪洋之勢矣。汪洋之田、又何能生物也哉。治法必須壯腎気以分消胞胎之湿,益腎火以達化膀胱之水。使先天之本壮、則膀骯之気化、胞胎之湿除、而汪洋之田化成雨露之壤矣。水化則膀胱利、火旺則胞胎暖、安有布種而不発生者哉。方用化水種子湯。

意訳

婦人に小便が出にくく、お腹が張り、脚が浮腫む等の症状があり、妊娠することが出来ない。人々は小腸の熱としているが、膀胱の気が化されていないことを知らない。膀胱と胞胎は近くに位置し、膀胱で病めば胞胎もまた病んでしまう。水湿の気は必ず膀胱に行くが、膀胱が化すことができないと必ず腎気を得て相通し、水に化されて陰器(尿道或いは外生殖器のこと)から出る。もしかりに膀胱に腎気の通が無ければ、膀胱の気化が行われず、水湿の気は必ず胞胎の中に滲み入り、汪洋(水を多く湛えている)の勢いを作る。汪洋の田で、生きることは出来るのか?(ここでは水に充たされている胞胎で、妊娠することが出来るのかどうかを譬えて述べています)。治療は腎気を盛んにして胞胎の湿を消す。腎火を増やして膀胱の水を通し、光天の本を盛んにすれば、膀胱の気が化され、胞胎の湿が除かれ、汪洋の田は湿潤な土壌に変わる。(ここでは水で充たされた胞胎が、湿潤で妊娠しやすくなることを譬えています)水が化されると膀胱が有利になり、火が盛んとなれば胞胎が温められ、妊娠しやすくなる。薬は化水種子湯を用いる。

今治 鍼灸 不妊 玄鍼灸院

解釈

ここでは婦人に小便が出にくい、お腹の張りがあり、脚の浮腫がある等の症状を伴い、中々妊娠しにくい原因は、膀胱の気が化されないためであると述べていまう。膀胱は胞胎に近い場所に位置し、膀胱に病があれば胞胎も病んでしまいます。膀胱が病んでしまうと、水湿を小便として上手く外に出すことができずに、外に出なかった水湿が胞胎に滲み入り、受精の邪魔をしてしまいます。多嚢胞性卵巣症候群も水湿によるものと東洋医学では考えます。治療としては溜まっている水湿を取り除き、膀胱の働きを正常に戻すこととなります。それには膀胱と関係が深い腎の気と火を盛んにすれば良いと述べています。上手く水湿が取り除かれれば、湿潤な胞胎となり妊娠しやすくなります。