季節性うつ病

季節性うつ病とは?

先月頃から来院されている患者さんとの会話の中で、寒くなってくると「やる気と言うか、気力が出ない」と言う会話がありました。

そこで今回は季節性うつ病について書いていきます。


この「季節性うつ病」、あまり聞いたことが無いかと思います。
これはうつ病の一つで、ある季節になると、身体のだるさや疲れ、気分の落ち込みなどの症状が出る気分障害のことです。
10月、11月頃から憂鬱な気分が現れ、2月、3月頃に症状が治まります。
主な症状としては、抑うつ、倦怠感、気力の低下、過食、過眠、体重の増加などがあります。

なぜ季節性うつ病に?

季節性うつ病は、日照時間と関係しています。
通常は昼間に日光を十分に浴びると、目から脳に信号が伝わります。そして夜間に脳の松果体という部位からメラトニン(ホルモン)が分泌されます。

このメラトニンは、睡眠・体内時計を24時間に調節してくれます。体内時計は自律神経やホルモン分泌にも関係しているので、冬場に日光を浴びることが少ないとメラトニンの分泌量が減り、睡眠リズムが乱れ、疲れやすい、気力が無く落ち込むなどの抑うつ症状が現れます。
これらの症状は、全ての人に出る訳ではなく、体質にもよりますが、ストレスにより自律神経が乱れている人・性格は穏やかで感情が豊かな人がなりやすいと言われています。

では、鍼灸施術で出来ることは?

安眠穴に鍼灸刺激をすることによってメラトニンの分泌を促す効果が確認出来ています。


また、『自律神経』に対して命令を出しているのは、最近の研究では脳の中の広い範囲で繋がって調節していることが分かってきました。これを中枢自律神経線維網(CAN)と言います。
CANは情動(喜び・怒り・悲しみ等)や夫々の臓器器官からの情報から交感神経を興奮させます。この興奮を抑える働きが前頭前野にあります。しかし、うつ病になるとこの前頭前野の働きが低下がしてしまいます。そのためCANを抑えることができなくなって、自律神経失調症の症状とか、不眠といった症状が出てしまうといわれています。

何故、鍼灸で自律神経の乱れが改善されるのか?

鍼や灸でツボに刺激を与えると、その刺激が脊髄を通り脳に伝わり、脳からβエンドルフィンと言う物質を出すように命令が出され、わくわく感や、前向きなど、ポジティブな感情を生み出します。この感情が出ることにより、うつや自律神経失調症で生じた無気力感、憂鬱感など解消することができます。

季節性うつ病など自律神経の乱れで困った場合、鍼灸治療を受けるのも1つの選択肢です。